広告やドラマに多いのだが、スケジュールを見ると、スタイリスト入り時間まで決めてくる媒体がある。
バラエティやイベントは、タレント本人の入り時間しか書いていない。津野は本人入りの20分前を目指して現場に行くようにしている。
スタイリストの入り時間を決めてくる媒体は、当然だが媒体の都合で書いている。これがヤケに早い時がある。ココに対しては、時間交渉をするという概念を持たないといけない。
弊社は、津野の事務所出発時間をアシスタントが決める。つまり、アシスタントは秘書でありマネージャーであるという事だ。
芸能人のマネージャーさんは時間に対して物凄くシビアである。
当然であろう。高額な芸能人の貴重な時間管理を任された専門職なのだから。
津野は元々マネージャーをしていたから分かるが、マネージャーは送られて来たスケジュールに対して、まず疑問の目を持つ。
・「この時間いらなくないか?」
・「この時間ウチは先に帰れるだろ」
そう思って、目を通す。人が作ったものである以上ミスが何かしら見つかる事がある。
こうやって、スケジュールを作った側からすると、一筋縄ではいかない人間にならないといけない。そうしないと、タレントさん本人から、マネージャーとしての目を疑われるからだ。
「どうして、このスケジュールを見て疑わなかったの?」そう言われてしまう。
まさに津野も昔、先輩からそれを言われていた。
「お前が疑問を感じなかったら、タレント本人が犠牲になる。だから、真剣に目を通せ。そして質問があれば聞いてこい。」
こうやって目を肥やしてきた。
世のアシスタントさんも、この目を持たないといけない。それが自分の時間を守る事にも繋がるからだ。
大人は決められたモノに対して疑問を持つ人は少ない。
・赤信号は渡らない
・海は青いモノ
・言われた時間に来ないといけない
などなど、子供には理解できない事を、大人は疑問すら持たない。しかし、全ての事に対して疑わなくなると、人の成長は著しく止まる。
大人という漢字は、“大人しい”と書く。
津野は大人しいが素敵な事だとは全く思わない。
決められたコト、モノに疑問を持つ心は非常に大事で、そこにビジネスの種が落ちている事が沢山ある。
・メルカリが一般人から買って、一般人に売れば稼げる。
・ZOZOが対面ではなく、ネットで服を売れば稼げると考えた様に
何に対しても、「コレはこういうモノだ。」と“考える事を放棄”していては、会社も人も上に向かって行かない。
考える事を放棄するが1番楽なのは分かるが、楽をしていては、人の決めたレールを走り続けないといけない。
いかに相手の機嫌を損ねず、自分の都合の良い様に持っていくかが我々の力量である。
ギャラ交渉だって同じだ。相手の言いなりになっていては、会社は切り盛り出来ない。
料金交渉は、我々スタイリストに与えられた正当な権利。
守るべきものを守って、妥当な料金を 臆する事なく伝えないといけない。
決められたモノに疑問をもてる、子供時代の感覚をもった大人を目指していこう。
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