「貴方は10億円手にしました。それでも仕事は続けないといけません。何の仕事をしますか?」
これは津野が10年前から世話になっているWEB会社 社長から実際に受けた質問だ。
津野はこの質問に対し「スタイリストを続ける」と答えた。
答えた直後に社長からは、「その仕事はお前が最もやりたい仕事だ。人はお金に人生を左右され過ぎている。金を考えず、やりたい職業をやれ!」と言われた。
少しホッとした。いわば天職。世にある全ての仕事を考えたとしても、道を間違えていない事を再確認できた。
この質問を研修生にもした事がある。すると、全く違う職業が出てくる。最近聞いた方は「カフェ」と答えた。。。これを耳にするとスタイリスト業に のめり込んでいる津野は少し悲しい気持ちになってしまう。
スタイリストのインターンに来るくらいなら、「現段階では、世にある仕事の中で1番やりたい仕事の1つだと思っていて欲しい。」と思うからだ。
「単なる質問に期待するなよ!」と思われるのは関の山だが、20歳前後の人達は、頭の中にある職業の選択肢すら少ないのも事実。
これが津野の年齢ともなると、世の中にはたくさんの仕事があることを知っている。
エンタメの世界の中でもキャスティングがあり、広告代理店があり、アートディレクターがいるなんて事も分かっている。しかし、学生はそうではない。。。コレは可哀想な状態である。
ちなみに情報不足による問題は、いじめに関しても同じ事が言える。いじめられている方は、【学校】という限りなく狭いコミュニティの中で村八分にされているだけで、広い視野でみると逃げ場所は沢山ある。しかし、未成年達の視野は狭く 目の前にいる同級生が全てで、世界の中心なのだ。そこで嫌われたら終わり。他に行き場はないと考え 取り返しのつかない行為に出る人もいる。全ては情報不足である。

話は戻るが、やりたい仕事に巡りあったとしても沢山のストレスはあるものだ。全力でスタイリストをやっていても、顧客には刺さらず、何度も何度もコーディネートのやり直しをくらう事もある。
また、撮影も詰まってくると、「今日のうちに3件分のコーディネートを終わらせないと間に合わない!」とか、「今日明日で来週の火曜までのアポを入れろ!!」みたいなストレスのかかるスケジューリングも日常茶飯事だ。しかし、
この適度なストレスが忍耐力を育て、スタイリストとして強く成長する機会となる。
人と同様に、植物もストレスのない温室育ちは弱々しく、外的環境が厳しくなると直ぐに枯れるという。
それこそ津野もアシスタント時代、師匠との関係でもつれ、ストレスで左半身全部が動かなくなった事がある。自由が強制され、お金も貰えず、個性も出せないと津野みたいな頑丈な人間も「ガタ」が来る様である🫨
ただ、それも乗り超えて踏ん張った事で こうして昔話を出来るし、精神的に頑丈になった。あそこで辞めていたら それまでの人生だっただろう。
一度やると決めた事を意地でもやり通す“一貫性”を携えると人は強くなるのである。
「ストレスは大き過ぎると悪い」と言われるが、一時的(たかが3〜4年)なら、なんとでもなる。戦争の時の捕虜に比べれば屁でもないだろう。現代人は、平和な時代のストレスくらい受け入れて、強く強く生きて欲しいと思う。


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