もう1つの転機は、古巣のオスカープロモーションから頂いた一本の電話だった。
マネージャー時代の先輩 木原さんからのお声がけをもらう。
「津野さぁ 新人の女優さんのスタイリングやらないか?結構大きなドラマの三番手に若手の子が決まったんだよ。今後取材とか増えてくから、、、やる?」と。。。。。
その若手女優は剛力彩芽さんだった。
始めてあった彼女は19歳 あどけなく、まっすぐで頑張り屋。コミュニケーション能力もメチャクチャ高く あっという間に親友のような関係になった。この人売れるわ・・・そう思った。
それにしても自分のことをよく知ってくれてるマネージャーさんは、本当に有難い。電話くれるということは、少しでも自分のことを信用してくれているということ。業界の信用を1から作るということがどれだけ大変か・・・。全く違う職種のマネージャー業も3年やって良かった。。。
そんなこんなで剛力さんスタイリストとしての半年間のフィーバーがスタートした。
彼女の勢いは半端なく、あれよあれよという前にスターの階段を駆け上がり、CM、カレンダー、雑誌表紙、バラエティー番組など怒涛の決まり方だった。1月に担当し、6月には「月の3分の2」が彼女のスタイリングで埋まった。
そして、2011年の8月スタイリスト津野真吾としては大きな事件が起こる。
あまりにも忙しい剛力さんの心を少しでも休めてあげようと、「夏祭り」を企画した。
芸能人ということを考慮して 人目につかない自分のスタイリスト事務所で、全長4mの流しそうめん、スーパーボールすくい、スイカ割りを決行した・・・。飛び散るスイカが衣装に付かないか不安で、ビクビクしたもんだ。その場には今後剛力さんがお付き合いするであろう俳優の方々も、沢山呼んだ。
ムロツヨシ君、綾野剛君、鈴木亮平君、安達祐実さんなど声かけれる人には声をかけまくって、楽しい一夜を過ごした。両手一杯に差し入れを買って来てくれた 綾野君にはこの場を借りてお礼を言いたい。ご馳走様でした。
夏祭りは大成功に終わった。皆さん大変喜んで帰って行かれた。
そして翌日の朝、剛力さん現場マネージャーの早川君から地獄のような1本の電話がきた。
「津野ちゃんやってくれちゃったねー!聞いたよ。派手なイベントやったみたいね。もう うちの会社との取引全部取り消しだから。今渡してるスケジュールも全部白紙で!!じゃ。」
何かがバラバラと音を立てて崩れた瞬間だった・・・。
次の瞬間、スーツを着て頭を坊主にしてオスカーの社長の元へ走った。「何の報告せずに勝手なイベントを開催したことを謝りに行こう!!そして許してもらおう!!」と思ったのだ。
結果は勿論 門前払い。そこで改めて「大人は先に報告しないといけない。聞いてない!と怒る生き物なんだ」という原則を知った。まぁ、時すでに遅しだ。。。
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