新規のタレントで大手の出版社から、写真集の依頼を頂いた。写真集はタレントさんの一生の思い出となるものだ。それを一任して頂ける事は、大変光栄な事である。
オンラインで編集と打ち合わせして、フィッティングに臨んだ。8体くらいを決める。3ラックパンパンに候補を持って行った。
中には九州から取り寄せたドレスもあり、準備万端である。いよいよタレントさんが入って来る。しかし、なんか様子がおかしい、、、
しばらくして、柄服のカテゴリーのところで立ち止まり、「柄はあまり得意じゃない、、、」と言われ、そのカテゴリーごと終わった。。。
次にロックのカテゴリーのコーディネートのところで立ち止まり、「レザーは強すぎる」と言われ、ここのカテゴリーも2秒で撃沈した。
他にも、全身コーディネートで提案したもので、トップスやパンツだけを拾って「このアイテムは可愛い」とは言ってくれたものの、コーディネートで決めることはされなかった。
あれよあれよと撃沈していき、編集さんとタレント本人で、改めて方向性の打ち合わせとなった、、、。一応頂いたカテゴリー通りに集めたにも関わらず、待ちぼうけである。。。
過去15年のフィッティングでは、全部決まるか宿題が1〜2コーデ残るくらいだった。弊社にとって、過去類を見ないくらい「決まらないフィッティング」となった。
当然残ったカスでコーディネートを決めれるわけもなく、後日テーマを改心して集め直してフィッティングとなり、終わった。

うちはリース屋さんをやれるくらい服を持っているから まだ、衣装費を押さえられている。しかし、普通のスタイリストだったら このフィッティングだけでも15万円近くの衣装費が消えただろう。
一般的な写真集のフィッティングの流れは、まずタレントと編集者がじっくりテーマを話し合い、ブレのない地点まで意見を統合する。
そこからロケ場所を決めて、それに見合う衣装案を 編集がタレントに確認しながら我々スタイリストに投げる。ココで大事な事は必ず画像でイメージを貰うことである。
文字情報で貰ってしまうと、必ずイメージがズレてしまう。
今回は画像でイメージを頂いていたし、比較的その通り集めた。しかし,実際タレントさんからすると全然違った様だ。。。
改めてタレントさんの口からテーマを聞いた時に、「私の感情を服に落として欲しい」的な話をされた、、、アーティスティックでエモーショナル、、、。心を服やロケーションで表現したいようだった。
正直、他人であり初対面である我々外部スタッフからすると、御本人の心を服に表現するのは,めちゃくちゃ難しい。仮に服にこだわりのある方だとしたら、首つまりはNG、肩は出したくない、スカートは出来れば避けたいなど、色々ある。
そんな中イメージを一致させるには、それなりの時間がかかるものだ。再収集に向けて不安が過大に残るフィッティングとなってしまった、、、

一度お受けした仕事をお断りするには、それなりに勇気がいる。編集者に問題があるなら仕方ないが、そうでない時は、自分だけ降りるは不誠実だ。なぜなら編集者は、モデルがどんなに面倒な俳優さんでも、出版までお付き合いしないといけないからである。よって、一度乗り掛かった船は、最後までお付き合いすべきだと思う。
ただ、もう一度トライして それでもどうにもならなかった場合は、降りる勇気も必要かもしれない。1案件にこだわりまくって、大きな時間を投下してしまうと、他の仕事までおろそかになってしまう。リピーターを大事にしないといけないのが仕事なので、そこの時間は死守したい。
それにしても、他人の感情を服に表現する案件は難しい😓

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