無様なスタイリストに、手を差し伸べた神様たち

プロフィール

有村架純さんの仕事を頂いたと同時期、鈴木亮平くんマネージャー ホリプロ工藤くんに泣きついた。

「実は現在仕事が全然なくて・・・理由は剛力さんや亮平くんたちとホームパーティーをしたことで、剛力さんの会社を出禁になってしまい・・・。かくかくしかじか・・・。」

すると工藤君からは意外な一言を頂いた。

『先日は亮平さんがお世話になりました。プライベートまでお世話になったようで 有難う御座います。』

・・・。

出禁になるところもあれば、御礼を言われることもあるんか・・・。対応むずい。

ホリプロとしては、男同士だから問題なかったのか、はたまたプライベートは全て本人に任せているのか・・・。

とにもかくにも タレントさんと遊ぶ時は必ずマネージャーさんに一報入れよう!そう誓った。

工藤君は器の大きい方である。『うちの会社で良かったらガンガン紹介しますよ。ちょっと待ってて下さいね。』と その場で数人マネージャーさんを連れて来てくれた。

泣ける・・・。背水の陣で 藁にもすがる思いで泣きついた自分を全力で引っ張り上げてくれた。

各々のマネージャーさんに名刺を渡し、自分が何が得意か どういう仕事をやってきたかを丁寧に話した。紹介してくれただけで嬉しい。これで仕事が来なくてもそれはそれ。工藤君のような人が自分の周りにいてくれたことが 何よりも嬉しかった。

もし工藤君から「予算がない仕事なんだけど」とか「少ないギャラの仕事なのですが」みたいに頼られた際は 一生無償で恩返ししよう!そう誓った。

しかし、それから12年経った今でも そんな電話はかかってこない。

いつでも動くからね工藤君。頼ってね。

こうして、数々の会社に出向いて営業をし、一つ一つ仕事の出所を分散していった。

アシスタント時代に師匠がスタイリングしていた、大沢たかおさんの付き人「松本実さん」に舞台挨拶の仕事を頂いたり、

洋服の広報から繋いでもらった「ファッション誌」の編集部に営業したり、

マネージャー時代のマネージャー友達に仕事を頂いたり、

大御所スタイリストの西さんにお仕事のおすそ分けを頂いたり様々だ。

有りとあらゆる手段で地盤を固めていった。

※表紙の写真は

仕事がなく、スケジュールガラ空きの時、ふと

バイクを止めて撮影した渋谷の夜の写真。

「仕事がなくて悩んでいたところで世界は何も変わらず動いていくんだなぁ、悩んでいても何も始まらないなぁ、動かないと!」と思い撮影したものである。

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