撮影当日、洋服は多目に用意するようにしている。なぜなら
クライアントのイメージに合わない時にコチラが困るからだ。
その服の量たるや、編集さん、マネージャーさんの表情から見て、多分 他のスタイリストよりも多い。それでも、イメージと合わないと言われる事もよくある。
昨日ある事務所のプロフィール撮影で衣装イメージを聞いた。
すると2つの注文がきた。
1 女性モデル
自然体、やわらかい、キレイ系というよりもカワイイ系。
→綺麗なグラデーション柄の服を提案した。
2 男性モデル
淡い、かわいらしい色。丸首ニットなど。
→可愛い春色の服を提案した
写真を送って下さいとは言われていないが、自分から送ってみた。
●結果は両方ともNG。。。
理由は、
1柄は嫌
2可愛いシルエットが良い、可愛い色ではない。
1はまだ分かるけど、2は単純に発注間違いである、、、
仕事の発注では この様なバグはめちゃくちゃ多い。本当に日時茶飯事だ。
クライアントも細かく指示するのは面倒なのだろう。「なんとなくのイメージ」でくる。
しかし、いざ実際のアイテムを見た時に 初めて嫌悪感を示す。「違う違う、こうじゃない!!」と。
では、どうすれば このバグが消えるか
その解決策は2つだ
1編集、マネージャーから画像でイメージを貰う
2stylistが さっさと数体作って提示する。
このどちらかである。相手が楽な事を優先すべきだと思うので、2番の方が賢いやり方だろう。
今回ウチはイメージの共有のための、画像を提示した。画像を提示せず、撮影当日を迎えていたらどうなっただろう。
服を見た瞬間に幻滅されるはずだ。そして、
「いや、こうじゃないんだよなぁ」とかクライアントに言われて、ムッとするstylistも沢山いる。
心の中の独り言はこうだ。
「初めにちゃんとしたイメージくれないからだ💢」
とクライアントのせいにして、捨て台詞を吐いたら、もう2回目の依頼はない。
ココで学ぶべきは、「どれだけ前準備の段階でクライアントとイメージを共有できるか」が勝負の分かれ道という事だ。そこにもっていく「ビジネスセンス」が問われる。
人は楽をしたい生き物だから、クライアントもビックプロジェクトでない限り、なんとなくで発注してしまうのだろう。
「あとは、プロの皆さんが上手く仕上げてね」という感じだと思う。
こうして、仕事が一度stylistにパスされた時点で、「全ての責任はstylist側にある」と考え、こちらから積極的にアプローチをかけて、必ずクライアントのイメージ通りの形にしないといけないのだ。
何度イメージを、送っても首を縦に振らないお客様もいる。CMで1体を決めるのに70体近く衣装画像を送った経験もある。
しかし、仕事を受けた時点で責任はこちらだ。納得されない事に腹を立てず、気を長くしてフィニッシュまでもっていかなくてはならない。
見習いの時代から「代替え案の提案の天才」に
なっておくと、将来 楽を出来るのかもしれない。
コメント