クライアントの中には10年以上の時間を
共にした仲間も沢山いる。ほぼ親友並みの歴史だ。
皆様にも中学や高校で3年間ともに過ごして、今でも仲が良い人はいるだろう。 それよりも長い期間お付き合いのあるマネージャーさん、タレントさんもいる。この先の人生も長く付き合っていく事だろう。
こういったクライアントさんのところに、津野はアシスタントを置いて
リースに行ったり、別現場のフィッティングに行かなかければならない時だってある。
退出するのは、大変心苦しいが 弊社の仕事運びとして仕方のないケースもある。
現場をアシスタントに任せた とある日の夜、アシスタントに聞いた
津野「今日の現場、大丈夫だった?」
アシスタント『問題なしです。』
ほっと胸を撫で下ろして、自宅に帰った。
そして、翌日 マネージャーさんに「昨日はアシスタントがお世話になりました」の電話をしたところ
どうも相手の様子がおかしい、、、
なんか煮え切らない感じを察知し、
津野「昨日何かありましたか?」と聞いたところ
先方「アシスタントさんから何も聞いてない?」と
言われた。。。
恐る恐る、「すみません。問題ない!と聞いていたのですが何かございましたか?」と
お伺いしたところ、
①タレントさんより遅く来たこと
②モノを忘れまくって撮影が進まなかったこと
③それを目の当たりにしたタレントさんが制作staffに頭を下げた事
などなど、
あれよあれよと昨日の現場の問題を耳にした。
この事を本人に確認したところ
「自分では問題ない範囲だと思ってましたが、言うべきでした」と反省の意を表明していた。
隠すつもりは無かったのだろうが、部下は責任者に細かく報告する義務がある。
部下は責任がない分、責任がある人にどんなに小さな事でも伝えないと、先方と弊社の間にバグが生じる。
この小さな小さなバグを、放置すると いずれ大きな癌となり、2社の付き合いは決裂する。
弊社では
A「必ず伝えないといけない重要な事」よりも
B「重要ではないが、伝えた方が良い事」を最優先に報告してくれ!と教えている。
↓
Aは、こちらが聞かなくても自然に報告が上がってくる。
Bは、重要ではないから「伝えようと言う気」が無ければ耳に入ってこない。
ところがどっこい、このBにこそ超重要な情報が詰まっている事が多い。
例えば、「遅刻しました。ウチのせいで撮影隊に迷惑をかけました」はAだ、
に対して
「最近、彼氏ができたみたいで服装の系統が大分変わってきてます。」はBだ。
一見彼氏が出来たんだ、ふーんそうなんだーと思いがちだが、それによって「服装が変わってきてる」は超大事な情報だろう。
ただこの「B情報」を取りに行くには
上司が部下と仲良くないと入って来ない。
部下は嫌いな上司とは1秒も話したくないと思っている。よって、上司として仕事を上手に運びたいなら、部下の信頼度を集めるのも大事な仕事なのだ。
さてここで、
「部下が持つべき取引先への配慮」について語っておきたい。
当然だが津野は1日の中で、アシスタントと関わる時間が1番長い。その反面
どんなに忙しいタレントさんのスタイリングでも、月に10回お仕事すれば めちゃくちゃ会ってる方だ。
ただ盲点なのは、
現役のアシスタントと付き合ってきた年月よりも
遥かに長い年月、苦楽を共にしたタレントさん.マネージャーさんがいるという事を忘れてはいないだろうか。
つまり、部下が「失敗を隠そう」と思っても
上司と先方の間には「部下の失敗を隠せないくらい太い繋がり」がある事を忘れてはならない。情報は外部と筒抜けだったりするわけだ。これは、どの業種の人間にも同じ事が言えると思う。
『部下よりも、長く深く関わった外部の人がいる事』を必ず意識して仕事を運ばないと頭が悪い。
具体的な例でいうと、
津野が「呼び捨てで呼ぶ」仲の良いタレントさんもいる。それに対して、何を思ったのか自分の部下も
津野と同じように「呼び捨て」でそのタレントさんの名前を読んだりする事もある。
「え?」と思うだろうがコレは事実だ。
当然、津野としては めちゃくちゃ気分が悪い。
そりゃそうだ、付き合ってきた年数が違うのだから。
皆さんの長年の親友の名前を思い浮かべてほしい。
その人の名前を、つい最近知り合った後輩が「呼び捨て」で呼んできたらどうだろう。
気分が悪くないだろうか。
しかも、自分の親友よりも年齢が下の子が呼び捨てにするのだ。。。嫌な気分になるに違いない。
そこには、最低限の配慮が必要で、謙虚に「さん付け」で呼んだ方が間違いないのだ。
付き合いの時間の長さを考えて 周りの人間には、敬意を払って行動して欲しいものである。
人は失敗からした学ばない。
沢山失敗した人は、強靭な人間になる。
身内には失敗を隠さずに、さらけ出す勇気が必要だろう。
失敗は後ろめたいモノではない、
「自分が成長した証」なのだ。

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