我々stylistは、媒体毎に請求書を出している。
大体のstylistは、この作業が苦手で ため息をつきながらやっている.華やかな世界で技術を披露する事が好きな我々は、金勘定は苦手な人が多いようだ。
苦手すぎて、請求書を出さない事を続け、出版社を「出禁」になったstylistもいる。そのくらい嫌いなのだろう、、、。
出版社ともなると、それなりの規模感だ。当然経理部もいる。会社の体裁的に払いたいのに払えない事が続くと「このstylistとは仕事しない!」となってしまうこともある。
国税から睨まれたく無いのだろう。。
stylistの中には請求書提出が嫌いだから、事務所に入る人も沢山いる。売上の15%、20%を払ってでもマネージャーに委託したいと思うのだろう。
「私、請求書出せないんです、、、苦手で」って言っている人がめちゃくちゃ多い。
業務の一部ではあるが 逃げたい。
「だったらお金を払ってでも委託する!」となるのだ。それはそれで賢い選択かもしれない。請求を出さな過ぎて「出禁」になるよりはマシだ。
津野はというと、、、結構好きである。
数字を弾きながら、「この紙を提出すれば3万円入るんだ。」と思うと多少のトキメキすらある。なので、マネージャーは付けていない。
その代わり経理の方を外部に委託しており、入金のチェックを行ってくれている。
現在取引先は882社、
皆さんは「会社」と聞くと
なんかしっかりしているイメージはないだろうか。
「お金は勿論キッチリで、経理部に請求書が届いたらすぐに支払い作業に入る。」
こう思っているに違いない。津野もそうであった。入金チェックの人にお願いするまでは、、、。
実際は、ズサンなところは多い
企業の経理は機械では無い、人だ。凡ミスは沢山ある。
具体的には下記の感じ
⤵︎⤵︎⤵︎
ここ最近はPDFのDATAで請求する事が多くなったが、未だに紙で郵送もある。そこで、
請求書を 編集担当者やTVプロデューサーに郵送するのだが、
●請求書の紙を書類の隙間に置いたまま数日経って忘れてしまっていた。とか
●30万払わないといけないのに、3万しか払っていない。とか
●駐車場の領収書を同封したのに、封筒を開けた瞬間に落として「津野さん、領収書の原本が入ってないよ」なんて言われたりする。
忘れて思い出すならまだ良い。
そのまま何もなかったように、何年経っても入金されないという事もある。外注の経理さんをつけてから、毎週、回収金がある。つけてなかった数年間、いくら損したんだろうと考えるとゾッとする。
どの会社にも決算がある。これが厄介だ。
ウチも会社を運営しているから分かるが、会社というのは、決算を跨ぐと支払いが、めちゃくちゃ面倒くさくなる。
期が変わると払えないと言われる。なので、必ず決算までに請求書を処理して貰わないといけない。しかし、相手の決算月なんて分からない。
ではどうするか、終わったらすぐ請求書を出せば良い。
しかし、、、請求先を全く教えてくれない担当者もいる。担当者の心情としては、
「stylistを発注して、ちゃんと服を持って来てもらうまでが仕事。終わってしまったら、もう後の祭り」ということなのか、後処理が適当な人も多い。肌感覚では半分くらいはそうだ。
結果,stylist側から「請求書の送り先を教えて下さい」の連絡をしないといけない。困ったもんである。下請けはこれが辛い。
番組担当者に連絡がつかない場合、マネージャーさんにも問い合わせるのだが、
マネージャーから
「オンエアが終わったら請求先の連絡先を伝えます」とよく言われる。「なんで?それマネージャーの都合やん」とよく思う。
「請求はオンエアがされてからでないと 番組に失礼!!」とでも思っているのか、知らないが
こっちは、服を使ってもらった時点で業務終了だ。
オンエアどうこうは関係ない。
TV局に頭が上がらないのは理解できるが、それをstylist、ヘアメイクに強要するのは失礼である。
更に困った人は、いきなり
「今日中に請求出してくれ」と言ってくるマネージャーさんだ。おそらく番組から散々煽られたのだろう。
「おたくのstylistさん請求書出して来ないよ。請求先だいぶ前に伝えたよね?もう決算なんだけど」
みたいな事だと思う。マネージャーがstylistに連絡するのを忘れていたパターンだ。
このようなバグを無くすには、
マネージャーは収録日に、目の前にいる担当者を紹介したら終わり、それが1番いいのだ。
そうやって華麗に責任逃れして欲しい。
これが互いにとって1番効率的でいい。
世の中には、ズサンな出版社も沢山ある。下記は、その具体的な例である。
A社は、仕事後 半年経ってもスタイリング料金が入金されない。不思議に思っていたところ編集者から
「津野さん入金されてますか?」と言われた。
なんでそんな事 聞くんだろうと思いながら、【まだなんですよねー】と伝えると、
「やっぱりか」みたいな顔をされた。
「一度経理に突っついたが良いっすよ、言わないと払わないんすよ、ウチ。前もそういうのあって、、、」と言われた。。。
本気でぶったまげた。そこそこ大きな出版社が,「こっちから言わない限り振込を開始しない慣わしがある。」なんて事実あってはならんだろう、、、。
《近代映画社》に関しては、
編集部に何度もお金が入らないと言ったが、入金されず。痺れを切らして直で経理に電話した。
すると「払えないんです.お金がないんです。」と言われた。ここにきて正直かい、、、
開き直りもいいとこだ。実際、破産間近で本当にお金がなかったようだったから、この時は諦めた。
その後、何処かの会社が10億融資をいれて建て直したと聞いたが,今はどうなっていることやら、、、。
世の会社の7割は赤字申告で1年を終える。それを考えると普通に考えて 払えなくなる会社が現れても全く不思議ではない。
会社は、「払ってくれて当然」と思ってはいけない。
自分がやった仕事は「お金が入らないかもしれない」と予め考えて,相手が逃亡して消えていなくなる前に、早目に請求書を出す事をオススメする。
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