借り物でコーディネートを組めない時の対処法

プロフィール

働く人が書類等の探し物にかける時間は1日に20分と言われている。弊社はそれどころではない。平気で1時間探したりしてる。

管理不足もここまでくると才能だ。

インターンに来た皆さんが驚くのは、その圧倒的な洋服の量だ。1万点くらい事務所に置いてある。

それを毎日使用して、倉庫に戻すのだが。仕分けに関しては大枠の決まりしか作ってない。

JKはここ、ニットはここ、黒のパンツはここみたいに。JKだけでも100点くらいあるのに 大枠の決め事だけでは探すのに どえらい時間がかかる。サイズ毎にタグをつけ、色分けして とかやらない限りOUTである。

そもそも何故服を倉庫に保管してそれを使うのか。それは借り物だけではコーディネートが成立しないからだ。

素敵なトップスは借りれたが、これに100%マッチするパンツがない。ではパンツを探すために追加で10件アポイントを入れるとする。

10件回るだけでも1日終わってしまう。

弊社は毎日3本とか撮影しているので、これをやっていたらタイムリミットだ。

なので、コーディネートの軸になるアイテムだけ厳選して借りるようにしている。

返す手間も考えての事だ。

中には「未使用が続いた結果、貸してくれなくなったブランド」もある。このようなブランドが増えたとしても自社で対応できる出来るように もしもに備えて蓄えをしている状態だ。

ここで未使用が続いて借りれなくなる件に関して、言及しておく。

ブランドさんからすると「津野さんが推してくれたら使用分に繋がるでしょ?押して下さいよ。」と思われてる所もある。しかし、それが出来たら未使用で返却したりしない。

仕事を頂いている以上、クライアントに決定権がある芸能のstylistは、stylist本人が着せたいものを ゴリ押ししていると、2度と仕事が来なくなる。

人は着る服は自分で選びたいものだ。

貴方だって、和食、洋食、中華、イタリアンが目の前に並ぶのに、毎日毎日 中華をオススメしてくるシェフは必要ないだろう。そういう事だ。

どんなにシェフが中華をオススメしてきても、和食が食べたい気分の日もあるのだ。

そのへん、我々プロフェッショナルは「無力」である。

つい先週末の写真集発売イベントでも、

15体用意しした衣装の1つを、運営側の女性が驚く程気に入ってくれて、俳優さんにオススメしていた。

しかし、俳優さんは「そんなに言われたら言われたものを着るしか選択肢ないじゃないですか、、、」と不満そうだった。結果、その服を着ることはなかった。

「求められていない意見」なんて必要ないのだ。

という事で、

stylist側では 使用分を確実に出すことはなかなか難しい状態にあるので、大変申し訳ないが

 「長い目で見てください。

仕事の本数は沢山持ってくるので、その中でタレント側が選んでくれたらラッキーと考えて頂けませんか?」と頭を下げる以外に方法はない。

なかなか苦しい戦いである。

靴に関しては

23.5/24.5/27/28は

ある程度借りれるが それ以外のサイズは無いところも多い。極端にサイズが小さい人、大きい人もいるので、そのような方は買って対応する以外に方法がない。なので、ドンドン私物は増えていく状態だ。

都内には元stylist、現stylistが運営する洋服のリース屋さんも数々あって 買い貯めたものを他のstylistにレンタル料として提供する人もいる。

ウチもこれを進めて行きたいが、今のところ自社で回すだけでも手一杯で手が回らない。

この私物倉庫を充実させる為に、毎シーズン厳選して使いやすい洋服を買い、一軒家を借りて、体制を整えた。

スタイリストの私物服は、メイクさんのメイク道具、カメラマンのカメラみたいなもので、商売道具である。

14年買い続けたので、今や一軒家にも入らなくなってしまったが、その分 急な案件にも対応できる体力がついたので良かったとしよう。

次のGWにでも一斉にナンバーリングを行い。探し物の時間をコンパクトにしていこうと思う。

弊社にインターンに来る人はお楽しみに!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました