カメラの巨匠からの伝言

プロフィール

カメラマン石塚雅人さんの写真展へ行った。彼の地元東京のあきるの市で開催していた。たまたま2日前に石塚さんと仕事をした際に、展示会中だと言う事を聞きつけ 今回サプライズできた感じだ。

津野の住む世田谷区から山梨県方面へ車で1時間30分かかる。かなりの遠出。あきる野は東京とは思えないほど、自然に囲まれた豊かな土地だ。

随分とリフレッシュになった。

展示会は【家族】をベースとした写真。

同級生や、知人の七五三、結婚式、出産などの最高の1枚が切り取られていた。

皆、満開の笑みで全ての写真からhappyがこぼれ落ちていて、柔らかい気持ちになる素敵な展示会だった。街の新聞にも掲載されたらしい。

展示会の最後の1割は 写真家であるお父様の写真展となっており、2世代でのテイストの違う展示に歴史を感じた。

会場に津野が登場した時の「え?あきるの市まで来てくれたんですか?」の

“狐につままれた様な顔”が忘れられない。。。

今や一般人のポケットには、各1で高性能のカメラが搭載されている時代だ。ではなぜ、カメラマンという職業が成り立つと思う?

一般人でも、うまい人はうまい。ただプロは一瞬を捉える力が抜群に長けている!!

決められた時間内で、モデルにどう話しかけたら、どんな表情が撮れるか。

ポーズを指示する事で、どういう身体の曲線となり、モデルがどの様な表情をするか。

過去に培った膨大な量の引き出しから引っ張り出して、仕事をする。

その話術や指示が、普通の人には到底出来ない。だから、プロがプロたる所以なのだ。光の調整が絶妙な事は言わずもがなだ。

彼の師匠はカメラマン渡辺達生さん。75歳

TBS「情熱大陸」にも特集された程の大師匠さんだ。彼の20番目のお弟子さんとなる。

達生さんは、合計22人ものお弟子さんを独立させている。

達生さん一派は、売れっ子集団だ。

 

上記の方々には現在も大変お世話になっているが、皆さん現役であり、めちゃくちゃ売れっ子だ。

そして上記の方々から独立したカメラマンも、活躍しているから凄い。彼等の弟子達にも世話になっている。

独立させた人数が多いと言う事は、それだけ渡辺さんが「人格者」であったことを示している。何人も何人もアシスタントが来たのに、

誰も独立していない。となると

「なんかあるな、、、」

と大抵の方は思うだろう。

当然、途中で辞めた人もいるだろうが、多くの人から弟子入りを希望され、多くの人がその期間をクリアし、売れっ子となる。

この正のスパイラルを作れるアーティストは、かなりレアだ。

正直22人弟子がいる、カメラマン、ヘアメイク、stylistは聞いた事がない。凄すぎる。。。

今までで津野が達生さんの姿を見れたのは2回、

●1回目は米倉涼子さんのマネージャー時代に週刊ポストの表紙だった。

米さんの入り時間になって「おはよう御座います。」と声をかけ、達生さんのスタジオへ入って行くも、アシスタント達しかいない。

「はて?カメラマンは、、、」と思った。。。

メイクに入り着々と準備が進む横で、達生さんのアシスタントの方々が せっせとライティングを組んでいる。達生さんの姿はまだない。

メイクもそろそろ終わりに差し掛かり、着替え終わったタイミングになってようやく

裏から達生さんが出てこられた。

米さんは達生さんが出てきた際に「いつもの感じか」といった雰囲気でニコニコされていた。

達生さん

「久しぶり!!じゃ撮ろうか。」と言って撮影が始まった。大御所感満載である。しかし、表情はソフト。トークは軽やかで、ニコニコ笑っており、まるで菩薩の様だった。

過去に女優より遅くきて、サクッと撮って帰るのは、篠山紀信さんと、アラーキーさんくらいだった。媚びない感じが格好良い。

●2回目は山本美月さんのスタイリングの時だ。待ちに待ったカメラマン渡辺達生の名前に震えた。ここぞとばかりに数年間眠らせた質問をぶつける。

「達生さん、貴方の弟子は何故 皆、売れっ子カメラマンになったのでしょうか?」

『弟子が世話になってるようだねー。それはね、僕が何もしないからだよ。僕が何もしないから、アシスタントがしっかりするんだよ

そう仰った。なるほど、師匠が現場で手取り足取りやっちゃいけないんだ。。。

そう思ってからは、津野も何もしなくなった。

洋服のアポを考えるのもアシスタント、現場で服を並べるのも、直すのも、着せるのも全てアシスタント。

津野は「ん?」と思った事だけ、口を出すようにした。

すると、自分達でやらないと何もプロジェクトが進まないという「責任感」、「危機感」が生まれ劇的に強いチームとなった

1stのアシスタントは津野の分身のようになり、それについていけないアシスタントは尽く辞めた。でも、それで良い。中途半端な人を独立させたら,過去の独立者のブランドに傷がつく。

付いて来れる人だけついて来れば良い。

先人の教えは絶大な効果がある。津野は素直なので、すぐ真似をする。真似をすれば近いところまではいける。学ぶとは真似をする事なのだ。

今度達生さんに会う事があれば、御礼を伝えようと思う。勿論、そんな会話をした事、覚えてくれていないだろうが、、、🤣

ウチは現在独立者は7名だ。

いつか22名を超えれる様 更に人が集まるコミュニティを作ろうと思う。その為には人がやらない事を次々にやらないといけない。新たな目標が出来た。

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