コーディネートをアシスタントにお願いしてみた。
「終わりました」の号令と共に、チェックに行った。
そして、8割くらいのものを分解した。コーディネートの組み直しだ。始めはこんなもんだ。仕方ない。
コレが2年経つとほぼ分解しなくて済むから、人の成長は凄い。
基本コーディネートなんて自由。正解はない。
街に出て沢山の人とすれ違い、そのほとんどの人の服は見てるが、なんとも思わない。
津野が見て 「格好良かろうが、ダサかろうが」好きな服を着ればいい。心からそう思ってる。
ただ仕事となると正解に近づけないといけない。正解とは何か、それは
「仕事をくれた人が喜ぶかどうか」それだけ。
今日は個性的な人と、王道(キラキラした)の俳優さんの2人。
勿論マネージャーも担当俳優の良さは把握している。
その俳優さんらしさを汚す事なく、俳優、マネージャーの二者が喜ぶ結果に出来れば成功だ。
そこには、二者の関係性も想像しないといけない。
マネージャー優位の力関係だとマネージャーよりにコーディネートを作る、逆もしかりだ。
初めましての時はコレが分からないから.「テイストの幅」と「物量」でカバーする事になる。
では、アシスタントが組んでみた王道(キラキラ)の俳優のテイストはどうか。。。柄✖️柄で個性的な方の服とテイストが混在したりもしていた。。。
または、メリハリのない全身ベージュだったり、全身青だったり。。。
組み直した後に決まった服は下記だ。
今回担当する俳優2人のInstagramの私服や、過去の衣装を調べてから組んだのか。疑問である。
全身ベージュや、青が悪いわけではない、
むしろ世間に1トーンコーデの人は歩いていないから、奇抜のジャンルに入ったりもする。
髪でいうと、茶髪で巻いててギャルっぽくするよりも、菜々緒さんのように、真っ直ぐ黒髪ストレートの方が 派手に見えるのと類似している。
ただワントーンにするには、それなりに技術が必要となる。
・各々のアイテムのデザインが凝ってるとか、
・レイヤードが素晴らしいとか、
・1割白が入っててスパイスが効いている
という風にしないと、途端にコーディネートはノッペリする。「メリハリ」が無くなる。
メリハリをつけると途端に「衣装っぽく」なる。
衣装っぽいとは、「派手な事」だ。その派手は単純に「色」の事ではない。
1トーンコーデの中にも、白が入るのと 同色のグラデーションになるのとで全然見え方は変わる。
1つのコーディネートの主役と脇役を理解し、
「コーデの主役アイテムを際立たせる為にどうするか!」を考えたコーディネートである。更に、
彼等を見続けてきたファンが見て、納得のコーデを作らないといけない。
今回は人前に出る面会イベント。
ファンがスターに会いに来る機会だ。そこにノッペリした服は着せれない。
「俳優が最も輝く瞬間の服。」つまり、やり過ぎない派手感・スター感があり、より多くのファンに刺さる服を作らないといけないという事。
ココで大事なのが、登壇する俳優が似合う服装は、我々よりもファンの方が100倍詳しいという事だ。歴史が違う。
その「ファンをも凌駕するカッコいい服装」を提供しないといけない。
キラキラ系の大人っぽい30代の俳優に,柄で子供っぽい服を持ってったらお終いである。
今回のイベントで大事な点は3点
●俳優、マネージャーを喜ばせようとする愛情。
●その先にいる「見えないお客様」をトコトン見つめようとする探究心。
●津野を信頼して仕事をくれた制作会社への恩返し
これを1つのコーデに落とし込むのが、仕事を受けた責任だ。
↓
そして、アシスタントにとって大事な事は、
津野っぽく組めるかだ。
コレを理解しない限り、コーデ組みは終わらない。
なぜなら、津野の仕事としてだからだ。師匠のテイストをどれだけ盗んでいるかが鍵となる。
毎日コーディネートを組むstylistにとっては日常の作業であっても、ファンにとっては1年に1回あるかどうかの面会イベント。
そのファン1人1人を思い浮かべ、笑顔に出来る服装を 組まないといけない。
stylist側は、日々のコーデ組みの延長みたいな、「考えられていないコーディネート」を出してはいけない。その人のテイストに合う、その人が活きる考え抜かれたコーディネートだ。
「仕事にどこまでの愛情を注げるか」そこが肝心になってくるのだろう。
※下記は個性的な方のコーデ案
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