受けてしまったら「失敗する確率が高い仕事」がある。
スタイリストもそれなりに得意不得意があって、どう集めて良いのか分からない企画もある。
まさしく今リサーチしている平安時代のメンズ服なんて、20年間で初めての集め物だ。何処にあるのかすら謎である。
今までスタイリスト生活14年、仕事なんて物は、常に自分のレベル以上のものが振ってくるものだと思っていた。よって、スケジュールさえ空いていれば「全てYES」でやってきた。
やれるやれないではなく、「やる!」と虚言を吐いてからが勝負で、自分にプレッシャーをかけて挑むべきものだと思っている。
例えば、
スタイリストを初めてメンズしか学んで来なかった時に、レディースの案件が来た時もそうだし、ウエストが100㎝ある女性のプロフィール写真の依頼が来た時もそうだ。
そうやってジワジワと地味に自分の許容範囲を広げて行った。

しかし、時に 「受けない方が自分のブランドイメージを落とさなくて済むのではないか、、、」と迷う案件もある。
先日ドレスを買取りたいから集めてくれと言われ、かなりの時間費やしたが、結果として期限内にタレントさんに刺さるデザインを探せずに、仕事は頓挫した。
「タレントさん御本人で探す」という事になった。
この案件も始めに仕事が来た時に、一瞬「これ上手く行くかな、、、大丈夫かな、、、」と心配だった。
その不安が見事に的中したという感じだ。
依頼主のマネージャーからは「探してくれたのに、申し訳ない」と頭を下げられるし、料金を払うと言ってくれたが、
普段世話になってる会社から、結果も出していないのにお金を頂けるわけもなく、何一つ誰にも徳がないまま終わってしまった。
この様な結果になった時に、「初めから受けなければ良かったのではないか、、、」とも思うわけだ。
優秀な経営者なら、失敗する可能性のあるものを全て排除して、自分の得意分野だけで勝ちに行くだろう。それが世の成功法則である。
どの会社もそうやって強みを活かした経営を行っている。アレもコレも余計な事に手を出す会社は、尻窄みしていくものだ。。。

さて、そんな中 今後はどうやって仕事を受けて行くか、、、。結論、津野は昔から「体験しないと何も分からない」という 【体験フェチ】な性格で冒険家なため、これからも未知の領域の仕事は受けて行くだろう。
それで失敗しお客様を失ったとしても、知らないジャンルを知りたい好奇心が勝ってしまう。
過去、あまりに多忙で、人手不足の時に「坂道グループのライブ衣装」を断った事はあるが、基本的には無理を引き受けるようにしている。それによって、自分の守備範囲が広がると信じている。
巻き込まれるアシスタントは、少し可哀想だが、引き続き津野のわがままに付き合ってほしい。
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