stylistは誰から仕事を貰い、どういう営業をするべきか。

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stylistにお金を払う人を想像した事はあるだろうか。ファッション業界。いわゆるアパレル企業が直接お金を払う事はない。

津野は一度だって、請求書にビームス、ベイクルーズ等のアパレル企業の宛先を書いたことがない。服のカタログスタイリングで、ブランドさんがstylistを指定する事はあるが、請求を起こすのは 決まって間に挟まっている「代理店」と呼ばれる人達だ。

このカタログというstylistの仕事の中でも限られた仕事以外は、

出版社や広告代理店、芸能プロダクションなどから仕事を受ける。つまり、ファッション業界がギャラを支払うわけではない。

という事は。一流大学出のエリートが揃うメディア界の人達と若いウチから沢山知り合って仲良くしておきたいわけだ。 では、どういう動きをしないといけないか。

具体的には、スタイリングが出来れば良いではOUTだ。

●仲良くなるスピード、

●気を使える視界の広さ、

●仕事中の笑顔の量、

●言葉遣い などなど、、、。

沢山の場所にアンテナを広げて、総合的に価値提供しないといけない。

仕事相手は高校→大学と、計画的に時間を使って、難関をググってきた「努力家」達だ。

良い企業に入れたという事は、それだけ面接を掻い潜ってきた「会話術」や「明るさ、元気」だって身につけている。

その人達と対等に「努力」したり、「会話」できる技術も備えていないといけない。

こう聞くと人見知りなんて言ってられない。話しかけ辛いと言われてはいけない。怖い尖ったメイクで不信感を持たれてる場合ではない。

stylistは自分で仕事を取っていかないといけない、貴方自身の人間性を向上する事が必須という事だ。

会社勤めの人にしてみれば、stylistなんて変人だ。みな「自分とは違う世界の人間」だと思っている。どう話していいかも分からない。

津野も会社員時代、美容師さんと合コンに行くのが少し怖かった。服見られるのかな?「髪型ださっ!」とか思われてるのかな?とか、、、そのくらい美容師を異世界の人だと思っていた。

例えば、皆さんの隣の家に「ジョングク」が、移住してきたら、「どう付き合おうかな?むずいな、、、」と思うだろう。そういう違和感だ。

そう思ってる人と良好な関係を作るには,こちらから歩み寄ったフランクな笑顔と,世間話がマストだろう。

次は、上記の人達に対して「どう営業して行くか」の解説だ。

スタイリストの仕事とは、予算を意識し、発行やオンエアまでの期限内にベストなスタイリングを作ることである。

自分で自由にコーディネートできる機会はほぼない。あくまで主導権を握るのは、TV局員、本の編集者や映像の監督だ。だから、仕事に必要な能力とは感性、センスよりも制約内で「いかに最適な衣装を提供出来るか」にある。

上記を考えると stylistが営業活動を行う時、「尖ったカッコイイ服」で資料を揃える事が、どれだけ無謀な事か分かるだろう。

100歩譲って装苑やSPURに営業するのなら、まだ理解できる。それでも、編集から課せられる企画に沿った作品を、撮り溜める必要がある。

高校生が大学入試を受ける前に 赤本という過去の出題試験を解くように、stylistも過去実際に使われたテーマを探して、それに沿って「自分ならこういうスタイリングにする!」という解答をもって、営業する必要がある。

更には営業アポが取れたとして、stylistの自己満の時間に付き合ってくれる編集さんも少ない。

退屈そうな素振りをしたら、すぐさま別の話題に持っていかなければならない。

芸能事務所に営業をする際は、永野芽郁さんだったら、永野芽郁さんを想定したモデルに彼女が着そうな服を着せて作品を撮らないといけない。

これが上手かった事務所がインセントだ。

各誌面のモデル占有率1位だったオスカープロモーションが一時期インセントに並ばれた事がある。

インセントのモデルが次々と誌面を取って行った背景には、先程説明した手法と「同じ手法」が使われた。

viviのモデルになりたいなら、vivi風の服を着せてプロフィールを作り直すという撮り方だ。

相手はエリート大学出の編集者だ。我々のようなプロのstylistではない、そうなるとviviではないテイスト写真を見せられても意味不明で、想像性に欠ける。しっかり、営業相手の雰囲気に憑依して、ものづくりをしないといけないという事だ。

ちなみに、よくstylistの営業を受ける編集さんは、「何でもやれます」「どんなジャンルでもやれます」という人が苦手らしい。

ココのジャンルが得意です。と言ってくれた方が使いやすいという事だ。

ジャムの実験でも同じ事が書いてあった。「24種類のジャムを置いた売り場よりも、3種類のジャムを置いた売り場の方が売れた。」要は選択肢が多いと、選び辛いという事だ。

上記の内容を考えるか、考えないかで成約率が変わるってわけだ。

(下記は若かりし津野の作品 テーマ・アーミー。ちなみにサムネイルの昨日は、テーマ・仮面舞踏会)

次に営業資料を揃えるための、作品撮影の話をしよう。

stylistアシスタントをやっていると様々なところから「作品撮影」のお声がけを頂く、これからの若い世代の見習いが歩み寄って、1つの撮影を敢行するわけだが。ココで無駄な時間を過ごす人が沢山いる。

そもそも、作品撮影で1番捕まらないのはstylistだ。メイク、カメラマンは自前の道具で直ぐに撮影出来る。しかし、stylistはテーマに沿ったものを集めないといけない。

津野のように、倉庫を持っている人ならまだしも、若手は基本手持ちの服はない。すると、

●お金を払って借りてくるか、

●師匠に相談して倉庫を借りるか、

●仲の良いPRESSにお願いして、稼働しない土日で借りるか

そうして出来上がった作品は、何処の営業にも使えない資料だったりするわけだ。何故なら、多くの作品撮影はメイク、カメラマンからの依頼。つまり、彼等が欲しい作品だったりする。

単純に趣味として、やる分には好きにすれば良い。しかし、仕事の営業資料として作品を作るのであれば、撮影の発起人として、「作りたい写真をプレゼン」する必要がある。

これを分からずに、お誘いを受けたからという理由でバンバン依頼を受けて、疲弊する若手stylistは多い。

人に与えてばかりのギバー(giver)は、使われて終わるから要注意である。

今回は、stylistが

●どういうジャンルの人から仕事を頂くのか、

●その人達にどういう資料を提出すれば刺さるか

を解説してみた。

もし間違えた行動を取っていたなら、すぐさま軌道修正して欲しい。

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