グループでのスタイリングの際、悩むのは色味である。
1番統一感が出るのは、同色の同じ形で合わせる事。例えば黒スーツに白シャツで揃えると◎だ。
次に統一感が出るのは、同色で個々にデザインを変えていく方法。デザインが変わる事で個人の特性も活かせるし、グループとしての結束も出る。
色がバラバラであればあるほど、統一感を出す事が難しくなるものだ。
色がバラバラでも統一感を持たせるには、シルエットを揃えた上に、系統をそろえる必要がある。勿論、色被りは避けないといけない。
ファッションの系統というものは、ポッと頭に浮かぶだけで、
・ストリート系
・ヒップポップ系
・韓国系
・ノスタルジック系
・IBルック系
・オシャレスーツ系
・カッチリスーツ系
・ヒッピー系
・パンクロック系
などなど、沢山のジャンルがある。
そこに加えて色のトーンを揃えて行かねばならない。
1つのコーディネートの中にも
・パキッとした色と
・くすんだ色が
混在すると、気持ちが悪い。これが複数人のグループとなったら、更に気持ちが悪い。
なんなら、素材すらも統一していかないとバラバラに見えることだってある。
この辺を感覚的に揃えていくのが、我々の仕事である。

若いスタイリスト時代は、加減が分からず やたらとレイヤード(重ね着)しまくって 仕上がりを見て絶望した。
・何でこの服にストール🧣まで出したんだろう、、、、
・何故、柄を押さえたスタイリングにしなかったのだろう、、、
などなど、反省した。
失敗を何度も何度も繰り返し、お客様が去る度に後悔し、苦しい想いもした。

今回は先方から、「硬い感じでお願いします」と要望があった。
肩パッドの入っていない肩肘の張っていない、オシャレセットアップを人数分用意した。
・色味をそろえ、トーンを揃え、
・首が長い人には首詰まりインナーを用意し、
(首が長い人に首開きを着せるとバランスが悪い)
・男臭いタイプには、シャツは着せず丸首のニットにする。(シャツはワイルドさには欠ける)
・柔らかい顔の人にはチェック柄
・年配者には重厚感のあるストライプ
というように、其々にあったスタイリングを組んでいく。
この辺りのバランスが上手くなるには、量をこなすしかない。
・グループ感とは何か、
・どうすれば結束感を服で提案出来るか。
この辺りを都度考えながら、毎日を過ごしている。
「自分のスタイリング力は完璧だ!」なんて思う日は来るのだろうか。
5年後10年後に今日のスタイリングがどう映るか、楽しみである。

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