スタイリストの出張では、制作が航空券や新幹線のチケットを取る。その時の謎が、撮影スタッフを隣同士で固める事。コレに関しては甚だ疑問。
皆様が隣の席を取ってくれて嬉しい人は、誰だろうか。。。おそらく、家族や恋人、親友くらいではないだろうか。
ビジネスにおいては、どんなに仲の良いスタッフでも一線をおいて交流している。
スタイリストは「仲が良いからと」言ってコーディネートで気を抜くと、指摘を受けるし、
段取りが悪いと制作は、マネージャーやヘアメイク、スタイリストから否定的な目で見られる。
一線をおいているビジネスパートナーとの地方ロケにおいて、ロケ地の移動時間は 唯一の休息時間/各個人の仕事時間だ。
95%以上の人は、距離感をおいて過ごしたいのでは無いだろうか。
特に飛行機や新幹線は距離が近いから圧迫感を感じやすい。
携帯を使って今済まさないといけないメールを返したり、電波が届かなくても企画書を作ったりしたい人もいる。漫画をひたすら読みたい人もいるだろう。その場合
隣にいても一切気にならない「他人」の方が仕事、娯楽に集中しやすかったりする。

以前映画の大阪遠征の新幹線で違うチームの先輩メイクさんと一緒になったが、隣に津野が来るや否や、
「お前かよ。前の席 空いてるからそっち座れ」と言われて、誰が乗ってくるかも分からない先に移動した事がある。
ひどい先輩に聞こえるかもしれないが、津野としては「この人優しいなぁ」と思った。
わざわざ悪者役を買ってくれて、「パーソナルスペースを確保してあげよう」と気を使ってくれたのだ。
こういう事にならない為にも、制作は先回りする必要があるのではないだろうか。
しかし、制作の意向も分かる。
撮影がメインのロケに置いて「スタッフがバラバラにならないように」とか、「女優さんの横に変な男が乗らない様に」という気遣いはあると思う。
しかし。予約の時点、あるいは当日乗り込むまでに 一言本人に声をかけて、希望者には席を分散させる方が賢明な気もしている。
この距離感という問題は、個々人のさじかげにもよるが、おおむね皆様津野と同じ感覚なのでは無いだろうか。

少し前までは新幹線に関しては、紙のチケットが郵送で送られてきていたが、最近は時間だけ伝えて、「自分でWEBで席を取って下さい」と言ってくる会社もある。これで良いと思う。
制作がチケットを買ってあげて、それを会社から各スタッフの自宅に郵送してあげて、、、という工程も手間である。
たまに、簡易書留でチケットが送られてきて、サインしないと受け取れない、、、という意味不明のやり取りで手間が増える事もある。これはキツイ、、、。
各個人の携帯で簡単にチケットが取れる とても楽な時代になったものだ。
ビジネスにおいて、人は1人の時間を楽しみたい人も沢山いるという事を知って頂けると更に仕事のパフォーマンスも上がるだろう。
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