コーディネートの七不思議

プロフィール

吊るしてあるコーデを着せても上手くいかないことがある。

●モデルの顔の色

●背丈

●首の長さ

●髪の長さや色

●足の長さ

我々スタイリストは、上記を瞬時に頭に入れて 吊るしてあったコーデと人が着た時を照合させ、エラーを弾く。

➡️エラーを修正する。

①髪が明るいなら、トップスを明るくすれば似合う。

②髪が明るくてモードにしたいなら、濃い色をトップスに持ってくれば良い。

③髪が長い人には、デコルテを開けた方がスッキリする。

④色が黒い人には、パステルを着せない。

などなど、、、。

長年培ったDATAを元に、目の前のバグと戦う。

昨日アシスタントから、

「デニムセットアップのジーパンの裾は、ロールアップしますか?内側に折って縫い上げますか?」ときた。

今回は縫い上げた。ジーパンを裾上げしたのは初めてだ。

では、なぜそうしたか。

そのデニムセットはエトロ(高級ブランド)でLOOKを見ると、シャツを合わせて綺麗目にコーディネートされていた。

裾はフレアでラグジュアリー感がある。

「デザイナーはこのデニムセットアップを、ロールアップでカジュアルにして欲しくないだろう!」

そう判断して、裾上げ判断。

この時、

「実際に着るコーディネートを写真で欲しい」と依頼したら、上記のLOOK画像がきた。

「これでは分からない、、、。」と伝え、実際に着せる服自体の画像を送ってくれと伝えた。

実際に着用する画像は下記である。

こうなった時に、瞬間的にロールアップはないと判断した。

なぜLOOKじゃ分からないか。。。

LOOKだと、今回のモデルさんが来た時の【画】が脳内に浮かばないからだ。

冒頭で述べた通り、我々はモデルの顔や身体の形を加味してコーディネートを決める。

ロールするかしないかは、誤差だ。

ただ誤差ほど、気を使わないと全体がダサくなる。

実際にグループLINEに送った内容は下記の通りだ。

【今回の裾上げに関して】

95点のものを→100点に上げようとする時に、細部にまで忠実にこだわった

【●参考画像】が必要。

基本デニムはカジュアルだから、ロールアップ。

(裏地を見せるとカジュアルになる為)

しかし、エトロが作ったことで

「ドレスよりになった」と判断し、裾上げにした。

モデル本人の顔が入らないと分からない事もあるので、着せる服の着せ方は忠実に,再現してくれると助かる。以上。

コーディネートとは不思議なものだ。

同じ服を着ても人により印象が変わる。それを合わせて行かないといけない。

ではコーディネートが得意になるには、どうすれば良いか。それは、膨大なDATAを頭に蓄積する事だ。

そうなると何が必要となるか、

沢山のモデルで複数の企画をこなす事。その量である。

つまり、どれだけ沢山の人に着せてきたかが貴方の財産だ。

「センスとは量。」

津野は講義で そう伝えているが、量をこなさないとDATAが残らない。クラスでセンスがいい人は、誰よりも試行錯誤してきた人である。

それは洋服もさることながら、リーダーとしてのセンス、料理のセンス、LINEでの伝え方のセンス、コミュニケーションのセンス

全てセンスは量だ。そして、真剣に考えた時間だ

芸人は人の何倍も話して、伝達力を試行錯誤している。そのストックを小出しにした時に「面白い」と言われるのである。

LINEで

「こういう伝え方をしたら、相手がこう返す。だから、先を読んで ここまで1回で伝えよう」とする人はコミュニケーションのセンスが高い。

コーディネートを上達させるためには、嫌いなジャンルの洋服でさえ上手く組み合わせないといけない。

アシスタントを始めた頃、津野が将来オジ様〜ゴスロリまでやるなんて想像も付かなかった。

しかし、今となってはゴスロリがきてもどう立ち回れば良いか分かる。それは、それなりの量を好き嫌いせずに仕事として受けてきたからだ。

若いウチは好き嫌いせずに、全てYESで,

経験を優先することは大事な事である。

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