吊るしてあるコーデを着せても上手くいかないことがある。
●モデルの顔の色
●背丈
●首の長さ
●髪の長さや色
●足の長さ
我々スタイリストは、上記を瞬時に頭に入れて 吊るしてあったコーデと人が着た時を照合させ、エラーを弾く。
➡️エラーを修正する。
①髪が明るいなら、トップスを明るくすれば似合う。
②髪が明るくてモードにしたいなら、濃い色をトップスに持ってくれば良い。
③髪が長い人には、デコルテを開けた方がスッキリする。
④色が黒い人には、パステルを着せない。
などなど、、、。
長年培ったDATAを元に、目の前のバグと戦う。
昨日アシスタントから、
「デニムセットアップのジーパンの裾は、ロールアップしますか?内側に折って縫い上げますか?」ときた。
今回は縫い上げた。ジーパンを裾上げしたのは初めてだ。
では、なぜそうしたか。
そのデニムセットはエトロ(高級ブランド)でLOOKを見ると、シャツを合わせて綺麗目にコーディネートされていた。
裾はフレアでラグジュアリー感がある。
「デザイナーはこのデニムセットアップを、ロールアップでカジュアルにして欲しくないだろう!」
そう判断して、裾上げ判断。
この時、
「実際に着るコーディネートを写真で欲しい」と依頼したら、上記のLOOK画像がきた。
「これでは分からない、、、。」と伝え、実際に着せる服自体の画像を送ってくれと伝えた。
実際に着用する画像は下記である。
こうなった時に、瞬間的にロールアップはないと判断した。
なぜLOOKじゃ分からないか。。。
LOOKだと、今回のモデルさんが来た時の【画】が脳内に浮かばないからだ。
冒頭で述べた通り、我々はモデルの顔や身体の形を加味してコーディネートを決める。
ロールするかしないかは、誤差だ。
ただ誤差ほど、気を使わないと全体がダサくなる。
実際にグループLINEに送った内容は下記の通りだ。
【今回の裾上げに関して】
95点のものを→100点に上げようとする時に、細部にまで忠実にこだわった
【●参考画像】が必要。
基本デニムはカジュアルだから、ロールアップ。
(裏地を見せるとカジュアルになる為)
↓
しかし、エトロが作ったことで
「ドレスよりになった」と判断し、裾上げにした。
※モデル本人の顔が入らないと分からない事もあるので、着せる服の着せ方は忠実に,再現してくれると助かる。以上。
コーディネートとは不思議なものだ。
同じ服を着ても人により印象が変わる。それを合わせて行かないといけない。
ではコーディネートが得意になるには、どうすれば良いか。それは、膨大なDATAを頭に蓄積する事だ。
そうなると何が必要となるか、
沢山のモデルで複数の企画をこなす事。その量である。
つまり、どれだけ沢山の人に着せてきたかが貴方の財産だ。
「センスとは量。」
津野は講義で そう伝えているが、量をこなさないとDATAが残らない。クラスでセンスがいい人は、誰よりも試行錯誤してきた人である。
それは洋服もさることながら、リーダーとしてのセンス、料理のセンス、LINEでの伝え方のセンス、コミュニケーションのセンス
全てセンスは量だ。そして、真剣に考えた時間だ。
芸人は人の何倍も話して、伝達力を試行錯誤している。そのストックを小出しにした時に「面白い」と言われるのである。
LINEで
「こういう伝え方をしたら、相手がこう返す。だから、先を読んで ここまで1回で伝えよう」とする人はコミュニケーションのセンスが高い。
コーディネートを上達させるためには、嫌いなジャンルの洋服でさえ上手く組み合わせないといけない。
アシスタントを始めた頃、津野が将来オジ様〜ゴスロリまでやるなんて想像も付かなかった。
しかし、今となってはゴスロリがきてもどう立ち回れば良いか分かる。それは、それなりの量を好き嫌いせずに仕事として受けてきたからだ。
若いウチは好き嫌いせずに、全てYESで,
経験を優先することは大事な事である。
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