悔しいが、どうにもならない貸し出し

プロフィール

映画の宣伝取材が始まった。

ファッション誌とBARFOUT他、様々なメディアの取材を着替えず同じ一体で通す。

単独俳優での取材であれば、映画宣伝部と交渉さえ上手くいけば こちらのタイミングで着替えてもOKだ。

今回は共演者の方と2人での取材。

当然、共演者の方も一体なので、コチラが取材毎に衣装を変えようと試みると迷惑がかかる。

さて、ココからが面倒なところ。

せっかくファッション誌もあるので、良いブランドにアポイントを取ろうと試みるが、

「ファッション誌は良いけど、他はだめ。」世界的ブランド程そのような事を口にする。

勿論、事情は説明する。着替える時間がない事、他に共演者もいること。再度投げ返す。

結果、ファッション誌以外は付き合いがないからNGだと、、、。ファッション誌だって初めは付き合いなんて無かっただろうに。まるで銀行みたいなことを言ってくる。

銀行で会社口座を開く時も同じ事を言われた。

「御社は付き合いがないので、直ぐには作れません。」

「だから、これから付き合いやってく為の依頼だよ」そうやって受付で押し問答した記憶がある。。。

このように、付き合いがないからという理由で断ってしまう事に違和感がある。

断るにも,「他に貸し出していて今貸せる服がほとんどないとか」「言い辛いのですが、知名度が●●クラスだったら」とかいろいろ言い方はあるだろう。

次々と出てくる「新しいメディア」に対して付き合いがないからって切ってしまって良いものか。

せめて知る努力はしてほしいと願う。

例えば、BARFOUTはめちゃくちゃ良い雑誌だ。過去にはARMANIさんも貸してくれて、掲載して貰った。

なのに、雑誌を調べようともせず、他どういったブランドが貸しているか確認もせず、付き合いがないから貸せないと言われる。

これは担当者の問題なのだろうか。

津野の事をあまり知らないからなのか よく分からないが、とにかく門前払い。

困ったもんだ。

ファッション誌がそんなに偉いのかとイヤになる。

ファッション誌への掲載が、ニッチなジャンルになりかけている事を、ブランド側はどう思ってるのか取材したいもんだ。。。

着せる人のクオリティは見てくれないのだろうか。

じゃあ、レオナルドディカプリオです。と言ったら,どんな媒体でも無条件で貸すだろうに。

足元を見られるのは、非常に気分が悪い。

ハイクラスの洋服ブランドは相変わらず、ファッション誌しか見ていない。

ごく一部の世界的ブランドは、芸能人などのセレブリティへの貸出を積極的に行っているが、それはデザイナーの意向によるものだ。

デザイナーが鍵を握っている。

つまり、セレブリティに貸す事を良しと思っていないブランドも数多く存在する。

このように、どこの世界にも忖度がはびこる。

付き合いがある媒体、付き合いがある人への貸出を優先している。

「悔しかったら、付き合いがある人に入れ」という事だろうが、14年スタイリストをやってきてもこれだったら、新人のスタイリストなんて もっと大変である。

どのジャンルの仕事も

「フラットな世界なんてない」と,区切りをつけてこれからも 様々な障害をかい潜って生き残っていかねばならない。

「貴方だったら、何でも貸しますよ。」と言われるようになるのはいつの日になるのか、、、。果たしてそんな日は来るのか。

これからの自分の伸び率に期待をして、今日も懸命に生きていこう。

 

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