アシスタントからタレントの着用画像が送られてくる。そこに関して着せ方で注意することがある。すると、「そんな事わかってます。」や「その部分はカメラの枠外なので大丈夫です。」そう突っぱねられる事がある。
そうすると、こちらの気持ちがどうなるか理解できるだろうか。今後アドバイスをする気がなくなり、関わりたくなくなる。
例えば、
「先方から、暖色系のコーディネートの方が、今回の企画には合っているので、暖色系のコーディネートを増やして頂けますか?」と言われて。
「そんな事、わかってます。撮影日までに足そうと思ってました。」と言う様なものだ。
どれだけ浅はかで、先が読めないかが分かるだろう。
取引先に ここまで強い人もなかなかいないが、
このような勢いで反発されると、制作としては、
「超扱い辛いスタイリストだわ、面倒くせー2度と仕事しない」と思うだろう。
その企画、その道で熟知する人を勝たせてこそ賢い。
下請けとして仕事を受けた我々は、制作を勝たせてこそ株が上がる。
それを息を吸う様にやり続ける事が 必要なスキルである。
たまに何度コーディネートを出しても、NGを出すタレント、制作もいる。もう撮影まで時間がないのに、もっとくれもっとくれ!
流石に内心は「いい加減にしろよ。どれだけ時間使わせるつもりだ。」と腹をかくが、結論、
相手の満足に至ってない事実は確かだ。
つまり、「貴方はボーダーLINEの下だよ。」と教えてくれている。文句を言いたい訳ではない。
その事実を真摯に受け止め、言い返したい気持ちをおさえて、
「撮影までには、なんとか追加します。」
弊社は それだけ伝えて、当日を迎える様にしている。
そうする事で、満足行かなかったとしても「頑張ってくれた」という実績は残る。
それがリピートに繋がるものだ。
自分の為に汗をかいてくれた人に、鉄槌を下す人はなかなかいないものだ。
自分の怒りを押さえて、
「相手の想いをどれだけ汲み取れるか」で業績は飛躍的に伸びていく。ここを忘れてはならない。
キレて得するのは、自分だけなのだ。
自分だけが少し楽になる。周りは失意のどん底になるのだ。
ただ、「言い訳」と「弁解」は意味が異なる。
「言い訳」は相手に伝えて気持ちの良いものではないが、弁解は伝えても構わない。
意味が食い違って伝わってしまったからだ。
厳しくいうと「弁解しなければならないような、言い方をするな」というのが正しいが、
間違えて伝わったのなら、ちゃんと正さないと貴方が被害者となる。
しかし、「言い訳」は極力するモノではない。
めちゃくちゃ言い訳したい気持ちも分かるが、言い訳したとて、気持ち良いのは貴方だけ。
貴方にポイントは加算されない。
話は戻るが、
任せた現場の写真を送らなければならない時は、写真と文章を添えて送る方が賢い。
写真だけ送った時に上司が「ん?」となる要素を全て取り払わないと、無駄なコミュニケーションが量産される事となる。
弊社では、
「写真と文章を同時に送りなさい。
その写真を見た時に、相手がどう反論するかまで考えて。反論が出ない様な文章を添えなさい。」
と教えている。
このやり方は、スタイリスト業だけでなく、他の業者でも使える技術だ。
これを伝えたら相手がどうでるか、そこまで考えて報告を提示する事で、
コミュニケーションの手間が大幅に削減できる。
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