人は下りのエスカレーターに乗っている

プロフィール

昨日タグを無くした。いつしかアシスタントがいる生活が当たり前になり、タグの管理、アイロン、返却準備、クレジット書きは全てアシスタントに委託する様になった。

仕事には役割がある。津野がガンガン人と話して仕事を増やす。アシスタントは増えた仕事でコネクションを増やす。津野がタグ取りをしていたら、現場で会話が出来ず仕事は一向に増えない。

そう言い聞かせて、アシスタントがやらない事をやる事が役目だと思ってやってきた。

これは間違っていないが、大正解でもない。何処の管理職も現場レベルの細かい作業を部下に頼んで、余った時間で会社として大事ことをやっている。津野と似た様なことである。

しかし、その立場にふんぞり返って現場レベルの作業に注意を払わなくなると、ドンドン落ちていく。

スタイリストは現場仕事だ。現場で素敵な服を用意して、華麗に立ち振舞ってリピートに繋げる🔁

現場に顔を出さなくなればなるほど、仕事は無くなっていきライバルに仕事がうつる。

その危険性を肌で感じてきた15年だった。

北の達人コーポレーションという大手企業の木下社長は、基本的に人生は「下りのエスカレーターに乗っている」と語った。

津野がここ15年大きな成果を出せたのは、下りのスピードよりも遥かに速いスピードで、上ったからであって。現状維持を決め込んだら、瞬く間に人生転げ落ちる。

アシスタント時代に せっかく細かい作業を習得したのに、それを忘れて踏ん反り変えると、アシスタントからの支持を無くし、信用は地に落ち、誰にも相手にされなくなるだろう。

似たような人がアシスタントにもいた。アシスタントも後輩が出来ると、やらない作業が増えてくる。何でも後輩に任せて自分は楽をする。

自分も1番下の時に大変なことをやらされ続けたのだから、当然。「新人は苦労して当たり前。」と細かい所に気を配らなくなったら、コミュニティ内の信用は一気に冷める。

あの先輩はそういう人だからと、冷たい視線を浴びせられる。これが人生の下から上、上から転落への縮図である。

作業にしろ、気遣いにしろ、配慮にしろ細かい所に手が届くから今の位置まで来れた。そこを忘れて踏ん反り変えると、ここから上にはいけないと思っている。

木下さんは面白い話をしていた。

✈️飛行機のファーストクラスの人は礼儀正しいが、ビジネスクラスの人は偉そうにしている人が多いという。

ビジネスクラスに乗れる管理職まで上った事で、いつしか「礼儀」や「気遣い」を何処かに忘れてきたのだろう。

津野はまだ、この段階なので今だからこそ細かい事に気を張らないと、後1ステップ上がる事は出来ないと危機感を感じてしまった。

15年のスタイリスト生活で忘れてしまった細かい作業、気遣いを継続してやり続けるからこそ、一流は一流であり続ける。

いつか、ファーストクラスに礼儀正しい振舞いで、腰を落とせるよう 今日からまた率先して、気を配れるスペシャリストを目指さねばならない。

人生はいつだって下りエスカレーター、今の位置に留まっていては、数年後には遥か下の方で苦しんでいることになる。ちょっとランクが上がって調子に乗った皆様気をつけなはれ。

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