お盆は毎年暇だ。
土日のないエンタメ業界とはいえ、やはりお盆・正月は皆休みたがる。
他で全く休まない日を送っているから、その反動で ここくらいは絶対休みたいのだろう。
そのアオリを受ける感じで我々も暇になる。
今年も相変わらずだ。そんな中、アシスタントから次のような提案がきた。
「アシスタント交代で休みをとっても良いでしょうか?」
結論はNGだ。超絶ブラック。血も涙もないと思うだろう。
去年はお盆休みを与えた。
すると、都内の仕事は他メンバーで回っているのに
休みとなった途端LINEの返しがスーパー遅くなり、中には返さない人も出て来た。
この時点でイライラは爆発しそうだったが、必死に押さえた。
その後、8/15に立て続けに複数件撮影が入って、休みの子が出勤しないと回らない状況になった。
そして、その状況を伝えても帰省した地元から戻ろうという意思を見せなかった。そこで、堪忍袋の尾が切れた。
「以後一切の休みを無くす」そう伝えた。
休みではなく、
「仕事が回るなら、その中で出てこない人がいる分には構わない」と言った内容だ。要はいつでも出てこれる状態でいなさいという事。
休みを許可したら、休みを盾に業務を放棄する人が出てくる。去年はそれを見るのが辛かった。
「休みってそんなもんでしょ?」って思うならそれは、雇われマインドだ。
当事者マインドではない。仕事に必要なのは、当事者マインドである。
「いざ鎌倉の時に来ないスタッフはいらない。」これは、友人のスタイリスト西さんが発した言葉だ。
激しく同感する。
いざ鎌倉とは、
「鎌倉幕府が緊急事態の時は、何もかも捨てて駆けつけろ!」と言った内容である。
いざ鎌倉の時に来ないスタッフ
つまり、助けて欲しい時にそっぽを向く側近を見るほど、辛い事はない。
「結婚する人とは一緒に富士山に登れ」と言われるのも同じ事だ。
本当にしんどい時に、協力する気がない人とは結婚するな。ということだ。
本当の人間性はそういう緊急事態の時に現れる。
津野はONとOFFの切り替えがない。
現場がない日でも常にONだ。
仕事のLINEが来ない日はないし、完全に丸一日OFFの日が来るのは死ぬ時だと思っている。
土日に担当現場をもっていなくて、休んでいるアシスタントがいる時でも、稼働しているアシスタントとLINEのやり取りをやる。
子供とジェットコースターに乗ってても、家族とご飯食べててもLINEは来るし、すぐ返す。
こう言う人と過ごすなら、覚悟を持って日々を過ごすべきだろう。アシスタントはずっと続くわけではない、たかが数年だ。
休みたければ独立して休みまくれば良い。
スタイリストは下請け。
仕事を振る制作会社や芸能マネージャー主導のスケジュールでお仕事を頂く。
この下請け業者という時点で、休みなんか作れるわけがないと思っている。
とんでもなく偉いスタイリストなら、下請けの概念は除外されるかもしれないが、そんな身分だと思っていない。
人は日常から外れた時に事故を起こすものだ。
かの有名なF1選手ミハエル=シューマッハも、OFFの時のスキーで危篤状態となった。
お盆のような非日常の時は気が緩みやすい。
危険な期間だ。
プロならOFFの時でさえONを意識して過ごすべきだと思っている。
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