前もって行動する事は、つくづく人間の本能に背いた行動だと思う。
先を読む事は大変面倒な作業だ。
毎日のリースで集まった衣装は、一度アシスタントでコーディネートを組んでみる。それを師匠がチェック・修正して、津野の思うように料理して店に出すわけだが、
そのチェックが後手後手になる事がある。
明日撮影なのに、今夜では組みきれないから、明日の朝、コーデを見に来て下さい。そうなってくると危険度がドンドン増す。
最悪パターンは、撮影日の朝にチェックしてNGで、撮影時間までに修正する事である。
今回の三連休でも同じような事が起きた。
金曜の夜には、借りた服は集まりきっている。(土日は洋服レンタルはしてくれない為)
ここで気合い入れて、ガンガン組んでいけば、土曜日昼には、週明けまでの不足分や、コーデが間に合う。
しかし、サボると後でドンドン苦しくなる。何事も早目にサクサク終わらせるが、基本なのだが、人間はそう簡単には作られていない。
土日祝はリースやってないから返却もないし、リースも行かなくて良いし、、、と心の何処かで余裕をこいてしまうと後が大変になるのだ。
つまり、木曜はリースのアポイントに命をかけ、金曜日はゴリゴリに作業を頑張らないといけない。
夏休みの宿題はスタート1週間で全て終わらせる。
それが大事と何度も伝えるが、なかなか動けないのが人間なのだ。
撮影が3件、4件、5件と立て込む日がある。9月・12月・3月・6月とかは特にそうだ。
なぜここの期間か。
それは翌月から新ドラマが始まるから。番組宣伝のバラエティや特番が多くなるからだ。
アシスタントが4人いても、撮影に3名出ると 都内で返却、リース、撮影衣装の回収の業務が回せなくなる。
つまり、撮影数+2人〜3人は外回りが必要となるわけだ。
では、足りない人数でどう動くか。そこを考えないといけない。大事なことは、何を捨てるかである。
何かの時間を捨てないと時間は作り出せない。
ウチのケースでいうと、捨てないといけないのは
「無駄なリースの時間だ」
1件行って該当のものがない、あるいは、使えるものがない。となると移動含めて30分が水の泡。
AのPRESSに行っても、該当アイテムはないと諦めて、撮れ高の多いところで固める。
あるいは、撮れ高の多いブランドを先に入れて、後半に入れてるブランドを削るなどの、テクニックも必要。
あるいは、一点だけ良いものがあるなら、わざわざ取りに行かず郵送して貰う。
撮影中に返却準備を終わらせ、マネージャーに渡すべきタグは渡して帰るなどになる。
ウチのアシスタントが、サボる事はない。これは自信を持って言える。正確にはサボっている時間がないが正しいが、起きてる時間みっちり働く。
その中でも時間を作るには、何を減らすかではなく、何を捨てるかを見極めなければ、いけない。
頑張れ世の中の現役アシスタント達。
費やす時間に対する「取れ高」を考えるのだ。
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