貴方は大親友に「お金渡すから、日常着れる服を選んで来て欲しい」と言われた。ショップに向かい、親友の顔を思い浮かべながら、親友が好きそうな服を選んであげる。
長年連れ添った親友だ。好みは手に取るように分かる。フリフリは着ない。カッコ良過ぎるアイテムも着ない などなど、、、。
その明確なイメージをもって選んでいる最中に、店員さんから「お探しの物はなんですか?」と言われたとしよう。
まず、思うのは何か、、、「この頭のイメージを事細かに、この方に話さないといけないの?」ちょっと面倒なんだけど。
これだと思う。しかも、何店舗か回ろうとしている1店舗目で言われると骨が折れる。
しかし、貴方は良い人。こういうだろう。
「少しスマートな服装で、色味があった方が素敵かなぁと思ってます。」
すると店員が「この辺りどうですか?」と持ってくる。
(心の声)言葉の通り持ってきてくれているが、親友は絶対着ないタイプのやつだ、、、。なんて断ろう。相手の自尊心を傷つけないように上手くやらないと、、、。
そして、そのアイテムでは無い事を店員に伝える。
このやり取り、、、心身共に疲れるだろう。
長々と具体例を伝えたが、上記のような流れをやってしまうPRESSさんがいる。絶対にやめた方が良い!
もしPRESSの方で、このブログを読んでいたら先10年救われるだろう。
ましてや我々はスタイリスト。媒体さんや芸能人の好みを熟知して、お金を貰って仕事をしている。その人に対して、即興で力になれると思ってはいけない。
それは親切でもなんでもなく、お節介。もっと強く言えば、迷惑だ。
30分おきにリースを回っている、我々スタイリストの服を選べる時間は、5分〜10分しか無い。そこに余計な5分を足されると1日のスケジュール全体が崩れてしまう。
津野は「嫌われる勇気」という本を愛読しており内容を実践しているが、人間関係で、「他人の課題」に入ると大火傷する。
他人の課題に入って良い事なんて1つもない。
他人は他人、自分には分からない事情を抱えて生きている。そこに介入すると人間関係は壊滅的になる。
これは親族であっても同じだ。津野真吾は、娘・津野ナナセと息子・津野キハチの課題には一切入らない。
子供達から、「お菓子食べていい?」とか「ゲームしていい?」と聞かれるが、好きにすればいい。「それをNOという権利は親ですらない。」と思っている。
それで太ろうが、成績が落ちようが自分のせいだ。いつか、「痩せて綺麗でいたい!」、「良い学校に入学したい!」と思える日が来た時に初めて自分でお菓子を辞め、ゲームを辞めるだろう。
お菓子は虫歯を作る事くらいは、情報として伝えるがどうするかは本人次第。
それで良いと思っている。
生まれた瞬間から、彼等には彼等の人生が始まっている。自分ではない人生にあーだこーだ文句をつける気はない。
対人関係を上手くやるコツは、「他人の課題」に口出しする事ではなく、上手に自己決定に導いてあげる事だ。最終的に決めるのはその人本人。
なので、今回に関して言えば、PRESSの方は「服を選んであげるのではなく、選択肢を用意する」までに留まっておく方が無難である。
良かれと思って動いた事が、相手にとっては嫌な気持ちになる事だってある。
気遣いとは何かを改めて見直す良い機会だった。
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