スタイリストは暇な時もあれば、忙しい時もある。どの仕事にも専属契約はなく、単発だからだ。
スタイリスト始めたては、お客様が定着してくるまではかなり暇だ。
芸能のスタイリストは、定期で発売する雑誌やWEB媒体に比べて、タレントの露出が不定期のため、仕事も不定期になりがちである。
例えば役者だと、作品に紐づける形でバラエティや取材が入る為、作品がなければ取材もない。するとスタイリストは必要ない。
役者は役に入ってしまえば2ヶ月、3ヶ月は俳優業優先のスケジュールになるため、取材はゼロになる。
スタイリスト1年用無しなんて事もザラにある。
役者の中でもスタイリストが就く方は全体の3割程度なので、まだまだこれからの役者さんは自前で服を用意する。
つまり、役者を担当する場合は複数人担当を持ってないとスタイリストは安定しない。
その点、バラエティや報道のレギュラー番組を持っていると、定期仕事に恵まれる。しかし、レギュラーは狙っても取れるわけではない。取れるか取れないかは運である。
では、ドラマはどうか。
ドラマを取れば3ヶ月毎日仕事で埋まる。安定に思えるが、ドラマ撮影期間に他の仕事が受けれないので、干されがちとなる。
数作品続いて入ると、単発の取材やバラエティは呼ばれてもいけない。
自ずとドラマ・映画だけのスタイリストになってしまいがちだ。
アシスタントがいれば話は変わるが、アシスタントがいるスタイリストの方が、圧倒的に少ないので、そこに自分が入るのも至難の業。
スタイリストを始めたての人達にとって、ドラマ・映画だけにスケジュールを取られてしまうのも死活問題。
ドラマにも呼ばれなくなると、生活に困窮する。
最近流行りの縦型(携帯)のドラマなどは、3日〜1週間で撮影は終わるので、まだ他スケジュールとのバランスは取りやすくなる。
もっともっと縦型が流行ると、スタイリストは潤うだろう。
アーティストをやるスタイリストはどうか。
日頃の仕事はMV撮影、取材、新曲のプロモーションなど単発だが、問題はツアーだ。
全国ツアーに回ると、その間の他の仕事は受けれなくなる。以前、ツアーにいくと他を受けられなくなるから、という理由で断ったヘアメイクもいた。
こう考えるとスケジュールを長く取られてしまう仕事は、生活の事を考えると、受けすぎない方が良いという事になる。
やはり、バランス良く色々な媒体から満遍なく、単発の仕事を受注する事が理想である。
雑誌やカタログをやるスタイリストも、それなりに危機感を持って仕事している。
雑誌は無くなる一方だし、ブランドも頻繁に無くなっていく、、、。
母数が無くなる雑誌で、専属スタイリストとして残る事は難しい。更に雑誌は1企画10ページ程担当となるとリース・撮影・返却で丸々1週間取られる。
この間に役者の舞台挨拶や、取材が入ってくるようになると、役者のスタイリングの方が短時間、低労働力、高単価なので雑誌を断るようになる。
何回も断るうちに次第に呼ばれなくなる。
ブランドのカタログはどうか。。。
ビームスやジャーナルスタンダードなど大手のブランドは、残り続けているが、そこのカタログをやれるスタイリストなんて、今乗りに乗ってるスタイリストだけだ。
予算がないブランドは、自分達でコーディネートを組むのでスタイリストを必要としない。
様々な仕事を検証すると、最も理想な形は短時間、高単価の仕事を満遍なく網羅する事となる。それが1番安定する。
簡単に言えば広告が毎月あり、それ以外の単発もあるスタイリストになると最高ってわけ。
上記を考えると、広いジャンルを担当するスタイリストに就いて アシスタント期間中にどの様な動きをしないといけないか。が見えてくるだろう。
アシスタント期間中にクライアントの心に残る人物となる必要がある。ここでスタートダッシュがきれるからだ。
アシスタントは、アシスタントらしくしてはいけない。頼りない話しづらいと思われてはいけない。
未来を見据え、今誰にどうアプローチしながら生きるべきかを考えて動くべきである。
コメント