スーパー売れっ子スタイリストの転落

プロフィール

かつて、日本一売れっ子と言われていたスタイリストAの収入が、全盛期の10%〜25%に落ち込んだ話を聞いた。

津野世代のスタイリストは、名前を聞けば全員が知っているスタイリストだ。

Aは、日本一活躍した男性アイドルグループや、今も主役で活躍するスーパー女優を数多く担当したスタイリスト。全盛期は売上1億円とも言われていた。

売上1億ともなると、毎日30万円稼がないといけない。これは、個人事業主としては グループをやっていないと不可能な数字である。

グループをやっていると、人の数だけ収入が入る。例えば、1人1番組3万円のスタイリング料を頂くとして、5人やれば15万とは行かないまでも、少しディスカウントされて10万〜12万くらいは貰える。

そして、稼働率が多ければ多いだけ服を用意するわけで、1日でTVのまとめ取り3本をスタイリングすれば、30万以上売上が立つ。

雑誌に関しては収録時間がないから、更に効率よく稼げる。

忙しいグループというのは、マネージャーも敏腕なので、隙間なくバシバシ仕事を入れる。

例えば、1日取材dayと決めたら、そこに集中して媒体を入れる。グループ主導で動くので、雑誌社は、「取材日が貰えた」となると、意地でもスケジュールを空けてカメラマン、ライターを用意する。

売れてるアイドルグループを撮影出来れば、雑誌はその分売れるわけである。

スタイリスト、ヘアメイクは事務所の専属さんが、まとめて担当し、各雑誌社から全てのイメージを吸い上げる。

雑誌によっては「雑誌専属のスタイリストで行かせてくれ!!」とマネージャーに打診する事はある。その時は、雑誌と繋がりのあるスタイリストが呼ばれる

外部のスタイリストが専属に入れるチャンスは、ここにある。

良い服を持っていくのは当たり前、短い撮影時間で急激にマネージャーに気に入られたスタイリストは、事務所の専属になることもある。なので、短時間で仲良くなるトークスキルが重要である。

Aさんは、取材dayに呼ばれたTV誌・アイドル誌全誌を担当するスタイリストだった。「TVガイド」「TVジョン」「TV LIFE」など、5雑誌が同じ日に集まって、その全ての服を集める。5人グループで5媒体。1誌15万だとして、1日で75万サラッと稼ぐ様な人だった。

アシスタントは、「明日までに100コーデ集めないといけない」と徹夜続きで超絶ブラックだったが、あまりにもグループが有名だった為、アシスタント希望者は次から次に来社し、全くリクルートに困らない状況

津野はその立ち位置に、酷く憧れを持っていた。自分も有名グループを担当して、Aさんみたいになりたいと思ったが、結果としては、専属ではなく単発で呼ばれることしかなく現在に至る。。。人生は思い通りに行かないものである。

しかし、専属は良いことばかりではない。専属が時に「仇」となるケースもある。お察しの通り、グループが解散した時だ。理由は様々だが、意図せず解散するグループは沢山ある。

その際のダメージが相当なものとなる、、、Aさんはまさにそれで、仕事が激減したタイプだ。

皆さんは、SnowManが来月に解散するイメージはつくだろうか。TWICEが2025年で活動を休止するイメージが出来るだろうか。

大抵の人は出来ない。「無くなったらやばい、、、」を薄々考えながらも、日々の忙しさに かまけて他に手を伸ばそうとしない。また、忙しくて手が空かないので「営業する暇がない!」というケースもある

じゃあどうするか、残された道は1つである。それでも【他ジャンルにも営業しておく】である。。。

津野は様々な理由で、収入が枯渇するスタイリストを見てきた。頼りにしていた担当が無くなって 頭を抱え、家族会議になってしまうスタイリストもみてきた。

タレントさん1人と二人三脚のヘアメイクさんも沢山いる。中には、もう40年一緒なんて人もいる。しかし、長期間担当が続く事は、だいぶレアケースだし、リスクが高すぎる。

取引先は広く浅く分散しておくに限る。自分がスタイリストとして忙しく、脂の載ってる時期にこそ、その影響力を使って営業する。それを心がけて行かねばならない。

津野も1年ほど前に、當真あみさんの会社ホームページ【問い合わせ欄】に、プロフィールを貼って営業文を送った。

宮世くん、藤原大祐くん、佐野勇人くん、杉野遥亮くんが出始めの頃に知り合いを辿って営業をかけた。

SnowMan、Aぇ! groupに関しては、局でチーフに会う度に「スケジュール空けて待ってんだけどなぁ」と嫌味を言っている。

動けば動くだけ見返りはあるものだ。上記の當真さん、藤原くん以外は全員何度かスタイリングの機会を頂けた。

残念ながら、専属にはなれなかったが、今でもマネージャーさんとは繋がっていて、別の担当さんでお世話になっている。浅く広く分散。何度も言っている技法だが、とても大事な事なのである。

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