タレントさんによっては、ブランドや値段にこだわる人がいる。なので、ワンピース1万円を切ってくると、スタイリストとしては値段を見せたくない。
スタイリストは、良い服を持ってくる事が大前提だからだ。
安い服が悪い服と言ってるわけではないが、安さを気にするタレントに当たると厄介だから、極力安い値札は見られたくない。
ただタグを外す事は、スタイリストにとってリスクである。無くすと貸してくれた屋さんから、こっ酷く怒られる。
しかし、スタイリストとしてのブランディングを守る為にも、タグを見られないように工夫しないといけない。
ウチはタグを無くすリスクを恐れて、不必要に取らないようにしているが、津野がアシスタントの時は片っ端から取っていた。
そして、借りてきたスーツのパンツは使わなくても全て裾上げ、、、。スパルタである。
値札の話に戻るが、タレントとしては、値札がこっちに向いていて、見ない方が困難だ、、、。どうしても目に飛び込んでくる。
それをいかに隠すかが肝で、津野がよくやる技は、衣装プレゼンの際、ハンガーを持つのではなく、タグを手のひらの中に入れて持つ様にしている。
ならば、事前に決まりそうな服のタグは外しておく事が無難だが、何故か毎回慌てて手のひらに隠す、、、ダサ目の選択である、、、。
ウチの師匠の様に厳しい人だったら、タグ全取りを強制するのだろうが、「タダでさえ忙しくて右往左往しているアシスタントに、無駄な作業時間を与えたくない」というのが本音。
今後人が増えて余裕が出来たら、約束事を増やしたい気持ちではいるが、現在の4人ではギリギリなので、なかなか頼み辛いのだ。
掃除でさえ頼み辛いのはいかがなものか、、、と思ってはいるが、本人達の自主性に任せるしかない。
安い服に関して、津野個人としては恥ずかしいとも何とも思ってない。実際自分の服は安い。下はUNIQLOのハーフパンツ、上物に関しては貰い物なので、タダだ。
「ブランドや値段にこだわるのは、自分に自信がないから、服の強さでカバーしたいのだ」くらい思っている。
スタイリストとしての真の力は、安くても、シチュエーションを考慮に入れ、コーディネートで高見えさせる事。
ただ一つ助言するのであれば、コーディネートの中の1点だけでも 素材の良い高級感のあるアイテムを組み込むと、一気に華やかになるので、コーディネートはし易くなると言う事は伝えておこう。
スタイリストがやれているのも お客様あってのもの。お客様にはお客様の価値観が存在する。安い服に対して嫌悪感がある人に安い服のタグを見せる事は、ビジネスとして合理的ではない。
相手を見て相手の好みに合わせて、提案していくのが出来るスタイリストのやり方だ。
よって、安物のタグは隠す方がアンパイなのである。
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