生放送の番組がパンツ指定だった。
指定とはいえ、スカートでもいける事は多々ある。両方でスタンバイしていたのだが、タレント的にはパンツを希望。
フィッティングを進めるも衣装は決まらず、10コーディネート近くて持って行ったが、着る物がない、、、、という事態に。
現場の不穏な空気を察知した津野は、「生放送本番までに何とかしますので、先にメイクを進めてください。」と伝えた。
“ピンチに慣れてはいけない”とは分かっては いるものの、この様なピンチは数多く経験している。
何とか出来ると思える気質なので、何があっても別案を持ってくる様にしている。
ここからは、1秒も無駄に出来ない。スタッフ1人1人に指示を出してチームを動かすわけだが、ピンチの時は頭が回るもので、A案B案C案、、、様々なアイデアが思い浮かぶ。
人間に備わっている火事場の底力は、本当に存在するのだ。
アシスタントの協力もあり、本番20分前にはTV局に該当の服を持っていき、事なきを得た。
今回はレギュラー番組の生放送だ。毎週同じ曜日に放送される。そこには3名のスタイリストが介入しており、津野に担当が回ってくるのが月に1〜2回。
ダメだった原因は、前の週のスタイリストが持ってきた服と似てるから、変わり映えがない。という事だった。
前回は体に沿ったデザインの服で、モノトーン。
ウチが今回持って行ったものも似ていた。
反省点は愛情不足である。
●前週、何を着用したかリサーチ不足、
●今週の服集めに対する打ち合わせ不足、
全て愛情だ。
お客様には均等に愛情を持って仕事をしているが、スタイリスト業に対する慣れにより、時に気が抜ける。
ココが敗因である。では、どうすれば良いか。
リーダーがお尻に火をつけないといけない。人は良くも悪くも日常に慣れてしまう。その「慣れて気が抜けた瞬間」に今日のような失敗が生まれる。
リーダーとして、用意したコーディネートで、もしダメだったら、、、を後2回心の中で唱える様に奮起しなければならない。
大先輩スタイリスト西さんは「スタイリストは50歳を超えた辺りから仕事が、激減する。それはタレントへの愛情不足だ」と言った。
深い愛情こそが相手の心を惹きつけるのだろう。心だ。心が乱れたら終わりである。いつまでも現役を続けられるよう、気をつけて行こう。
コメント