若手の女優さんにコレはやっちゃいけない

仕事

デビュー仕立てのスタイリスト1年目の話、いきなり世に放たれ、制限もなくなった事で間違った方向に進んだ失敗談を紹介する。

師匠はメンズ服のスタイリストだった。レディースはやった事がない。しかし、世の中にはレディースの仕事の方が多いわけだ。

単純にファッション誌を見ても、メンズ誌をレディース誌は凌駕するコンテンツ数。

自ずとレディースやれますか?の依頼が来るから受ける。

初めはグラビアアイドルや、ファッションモデルさんを中心に仕事をしていたが、そのうち事務所さんとの繋がりも濃くなり、女優さんをやらせて頂けるようになった。

これから伸びるであろう若手の女優さんである。実際に当時スタイリングしていた人達は、剛力彩芽さん、有村架純さん、広瀬すずさん、アリスさん、新川優愛さん、山本美月さんなどだった。ほとんどが20歳以下のこれからの女優さん。

その方々が世に出だした初期。この若い10代の面子にネックレス&イヤリングをつけていた。

皆さんは、イヤリングとネックレスをつけた10代を好きになれるだろうか。

「大人っぽくしないで!つけすぎどっちかにして!ケバ過ぎる!」そういう声が聞こえてきそうだ。

上記の方々を事務所は、正統派で売っていく。素朴で純で健康的、そういう売り方だ。実際に彼女達はそうだったので、そのまま服を着せれば良かったのに、やってしまっていた。

アクセサリーを付ければ付けるだけ ケバくなるわけだ。

レディースを学んで来なかった事は、こういうちょっとしたところに出る。事務所も求めていないし、ファンも求めていない事をプロのスタイリストがやる。。。大変申し訳ない事である。

事務所さんもスタイリストに任せてるスタンスの人もいて、そうなると、誰も止めてくれず、間違ったまま進んでいってしまう。

広瀬アリスさんの仕事をキッカケに、現在もお世話になっている雑誌BLTでは 基本的にアクセサリーは付けない

勿論企画として、ドレスを着ることもあるし、年齢層が上目の人をやることもあるので、そういう時は例外で付ける。

しかし、読者は素朴で純粋でカジュアルな彼女達を見たいので、極力アクセサリーは付けずにカジュアル目に仕上げるようにしている。

当時の編集さんに何度も「津野さんアクセサリーなしで」と言われ続けて、「アクセサリーをつけると どうなるか」を知った。有難い事である。

メンズの人はスタイリストになるなら、メンズは勿論のこと、レディースもやっているスタイリストに就く事をオススメする。逆もしかりだ。

インナーからアクセサリー、リースする時の注意、タレントさんがどういう服を着せて欲しいかを若いうちから知っておいて損はない。

借りる場所も当然違うので、その辺の繋がりを作っておく上でも重要な事だ。

借りる場所(PRESS)を全く知らなかった津野は、ローラさんのスタイリストさんに頭を下げて返却リストを貰って、無料で返却に行きながら覚えていった。こんなのは、アシスタント中にやる事だ。

服のプロとして、お客様(ファン、事務所)は何を求めているか その想像力を持って「求められるスタイリング」を心がけて行こう。

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