「津野さんのオススメで。」これはよく言われる。決定権は全てコチラにある。それを受けてAかBのコーディネートが良いと発言する。必ず複数残す様に心がけている。
AとB選択肢を複数残した上で、最終的に相手に決めて頂こうと試みる。しかし、残した選択肢の中でも選ばない方もいる。
あくまで津野さんのオススメを着ます。というスタイルだ。
慣れたタレントさんで、好みもバッチリ分かる方ならリースの段階から、狙い撃ちで決めて優先順位をつけて提案出来る。
しかし、我々は神様ではない。まだタレントの好みも手探りの段階だとイメージが湧かない上に、袖を通して見ると思ったようにならない事もある。
中には、初めましてだが「こういう服を着せてみたら似合う!」とイメージ出来る方もいる。しかし、イメージの服を服屋が貸してくれなかったり、撮影まで時間が間に合わなかったりで 最良のものが現場に無く、ジレンマで頭を抱える事もある。もどかしいものだ、、、。
スタイリストに選択の自由がある事は ある意味 責任が重い。相手に委ねられないという事態は、最高なようでなかなか困るわけだ。
そんな中、「津野に頼んだ」という色を残さないと依頼された意味がないため、個性を出す様に日々心がけてスタイリングしている。
以前、雑誌社の方と話した。「スタイリストを選ぶ時の決め手は?」と聞くと。【色】だと言われた。
所謂、個性だ。
「この人に頼むとこうなる」というイメージを浮かべてその人に依頼する。
・アートな服を持って行くスタイリスト
・色使いが綺麗なスタイリスト
・コンサバ風に持ってくスタイリスト
・レイヤードが斬新なスタイリスト
その辺を考えながら制作側は、キャスティングしている。
例えばある雑誌が「この人ばかりスタイリングしている!」と分かるなら、そのスタイリングが編集に刺さっているという証拠だ。
その雑誌の仕事がほしければ、ある程度メインのスタイリストの手法に寄せて行きつつ、自分の色を入れていけば依頼が増える可能性がある。
まずは敵を知る事が肝心なのだ。
カメラマンにも同じ事が言える。
・モデルが内気なタイプの子だと、フランクに心を開放出来るカメラマンに頼む
・モードに男臭く撮りたいならこのカメラマン
・ファニーで爽やかな写真ならこのカメラマン
という風にカメラマンの色(個性)を見て編集者が選んでいる。
新人スタイリストは自分の色、スタイリングを確立しなきゃと焦るが、そんなもの勝手に出来上がるから好きな様に組めば良いと思う。
ちなみに、津野の色は、通常より30%〜50%派手な色使いで、統一感を重視したコーディネートを組む。
基本的には突飛なレイヤードや、多色のコーディネートは組まない。濁った地味色も使わない。これは性格の問題かもしれない。
自分は「アーティスティックなタイプではない事」を自分が1番知っているので、
《一般人に受け入れられる服だけど派手!》というポイントを狙ってコーディネートを組む。
性格は服に出ると言うが、その通りだ。津野は派手な性格なので、派手な色使いが表にでる。派手好きな芸能人はこぞって集まるというわけだ。
撮影本数が多いと言う事は、芸能人の中に目立ちたいという人間が多い事を表している。
新人に伝える事といえば、「自分の色を、他人が分かる様になるまで出し続けろ!」と言う事だ。とにかく、営業しまくって仕事を取る!それが最優先。
そこでコツコツやっていくうちに、すご〜くゆっくりではあるが、「このスタイリストはこう言うコーディネートを作る」というイメージが外の世界に出始める。
それをひたすら繰り返す。インスタにUPする。
すると次第に業界が、貴方の作品に触れる機会がふえ、指数関数的に仕事が増えていく。貴方にしか組めない、貴方のコーディネートを数%入れる事を忘れずに直向きに取り組んでいってほしい。
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