売る気のないブランド

プロフィール
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シロマというブランドがある。ここのPRのニシヤ君とは、もう10年くらい付き合いがあり、大変お世話になっている。

奇抜なデザイナーブランドで、紅白歌合戦のLISAさんの服を1から手がけたりと、昔からクールで斬新なデザインを打ち出していた。ここ10年ブランドの成長を見てきたのだが、最近は更に斬新で、普段着では着れないほどモードなブランドへと変身を遂げている。

先日リースの際に、「この服達さぁ、売る気ないでしょ、、、」とからかった。すると『はい、そうですね。。。』と返ってきた。元々奇抜を売りにしていたので、無理に売れる服に寄せるよりは、やりたいデザインで押し出す!!という方向に思い切って舵を切った様だ。

肝心の収益を聞いてみたら、スタイリストのリース料の売上で成り立っていると話してくれた。東京には3000人のスタイリストがいる。その大多数は奇抜なデザインを求めて日々服を探し回っている。何故奇抜なデザインを求めるかというと、顧客(芸能人)が他と被ることを嫌うからだ。

世間の服装に合わせれば合わせるだけ、個性も一般化してしまうというわけ。芸能人も全員が全員美男美女ではないわけで、服くらいは奇抜にしないと、一般人と同じに見られてしまう方もあるの

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基本的に洋服屋はBtoCで、一般顧客に売る事を目的とした販売戦略を立てる。理由は効率がいいからである。オシャレに敏感な少数派を狙うよりも、オシャレに疎い(うとい)大多数を狙った方が数を稼げる。その分規模も大きくなる。UNIQLOが良い例だろう。しかし、ほぼ全てのブランドがその位置を狙うと参入者が増えて価値が希薄化する。

そこで、ルミネに入っているような、独創的なデザインを打ち出すアメリ、メゾンスペシャルのようなブランドが出てくるわけだ。アパレルは大体この二極化のグラデーションでビジネスが繰り広げられる中、シロマはスタイリストのリース向けに物作りをするという荒業に出ている。

こんなブランドはなかなかお見かけしない。

ココまで尖り切ると需要は逆に上がる。最近はアーティストさんから名指しで「シロマを借りて来てくれ!」と言われる様にまでなった。これは10年前には無かった現象である。

この動きを見過ごすわけには行かない、、という事で、弊社IMMEZも一点だけ尖りまくった商品を出して、「リース料以外での無料貸し出しはしない」というアイテムを打ち出す事を決めた。

「他人のフリ見て我がフリ直せ!!」である。「ココまで凝ったデザインにすると絶対売れない、、、」というストッパーを突破する事で、作りたいものを作る。ビジネスではやってはいけないプロダクトアウトの考え方である。世の中に求められていないものを敢えて一つだけ出す。これは、シロマから得た新しい試作である。

外に出ると様々な情報に触れる事が出来る。外には宝の種が沢山落ちている。外を知る事は非常に大事な事である!!

もっともっと外に出よう!!

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