レンタル衣装のバイト生を募集している。このまま行けば新規4名を採用予定である。皆さん履歴書にツラツラと経歴を書いて送ってくれる。津野もバイトで食い繋いだ期間があったので、履歴書は沢山書いた。
スタイリストのインターンに来る学生も、自分から履歴書を送ってくる人がいる。ちゃんとしている。送られてきた履歴書には勿論目を通すが、履歴書は別にいらない。理由は過去に さほど興味がないからだ。よって、履歴書を自分から強要したことは一度もないし、過去のアシスタントからも貰っていない。今までどう生きてきたかよりも、ウチに入ってからどうするかに興味がある。
バイト長の方からは、新人アルバイトさんは洋服の知識が多少あり、携帯で写真のコラージュが出来る人が良いと言われる。たしかに、そのような能力があった方が教える側は楽なのだろう。
ただ、それは入ってからでも覚えられる。アシスタントもそうだ。中途採用が最高である。他で ある程度やってきた人間が入ってくれると心から助かる。しかし、それよりも大事なところは人柄(明るさ、適応能力、協調性)である。
どんな過去の経歴、能力も人柄に勝るものはない。

昨日は浅香唯さんの現場で先輩ヘアメイクさんと話した。彼はアシスタント時代 浅香さんから「私やって!」と言われて、メイクがまだ出来ないのにやらされたという。その理由は「人柄」だったと話された。
浅香さん的には、メイクは、ある程度形になればそれでいい。それよりも貴方と仕事がしたいと思ったようだ。
更に、堤幸彦監督の作品でメイクとして呼ばれた時も、「まだメイクは出来ない!」と言ったのに、「大丈夫、大丈夫、お前なら」と言われて無理やり作品に参加させられてキャリアをスタートされていた。
これが極論なんだと思う。能力はどうでも良い、誰と居たいか、、、が最も重要なのだ。
芸能プロダクションの松竹のマネージャーさんも、尾上松也さんのスタイリストさんを選ぶ時に、人柄で選んだと話していた。営業を受けたので、一度使ってみたらUNIQLOでコーディネートをして持ってきたらしい。それに対して、「何でUNIQLO?他になかった?」と質問したら、「スタイリング料が安いんで、これしか持ってこれません」と言われたそうだ。
ただ、そのスタイリストさんの人柄があまりにも良かった事から、「他のスタイリストがどう服を集めて、やりくりしているか教えてあげて、育ててあげよう!!」と思ったようだ。今でも彼は尾上さんをスタイリングしている。人柄の勝ちである。

結論、社会で生き抜く最近の武器は愛嬌、素直さ、誠実さである。義務教育は、ここにもう少し注目して、子供達を育てていかないといけないと思っている。「勉強しろ!良い大学にいけ!」ではなく、「友達増やせ!集団の中で欠かせない人間になれ!」である。人と関わる中で どうポジションを取り、集団の中の潤滑油になるか、、、無くてはならない存在になるかが最も重要なスキルである。
同じクラス、バイト、ゼミ、学校、部活。様々に編成される集団の中にいて、人が集まる人間になれたら社会に出てから何の心配もいらない。稼げなくても誰かが助けてくれる。
義務教育では 勉学ではなく、人柄の修行を小学校から重視して欲しいものである。
相手がどういう気持ちか、どう思っているかを日々感じながら、目の前の相手の気分を上げていくスキルを身につけてほしいものである。

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