12月は忙しい。恐らくTV業界に携わる人は皆、忙しい。なぜなら、年末年始のTV番組に向けて、各事務所が営業に力を入れるためだ。
知名度UPのため、在宅が多くなる年末年始に、タレントの露出を増やそうとする事務所が多いのだろう。そして、番組制作側も年末年始を休む為に今のうちに撮り溜めようとする。
年末年始のTVは、大人数の特番を数多く組むため、それなりに沢山の芸能人がスタジオに呼ばれる。それに伴って側近のスタイリスト、ヘアメイクも多数呼ばれるというわけだ。
上記の状態がしわ寄せになり、12月は非常に仕事が多い。深刻なのは人手不足だ。所属のアシスタントでは足らず、スタイリストは外注として派遣のスタイリストを雇う。
うちは4人いるので、なんとかカツカツ回るが、ぶっちゃげ倍いたら人間的な生活が送れるのに、、、と嘆いてしまう。
昨日も究極に追い込まれて、来年から入る新入生達に手を借りた。この状態がクリスマス後まで続くので、踏ん張り時だ。
逆に、来年1月はスーパー暇になる。スタイリストにとって、1月と8月はドボンだ。仕事の本数は少なく、人が余る。どうにか、年間で仕事量を分散してくれないかと嘆くが仕方ない。。。
1年間の中でも忙しい12月や3月には、人の本性が見える。忙しい時ほど、頑張れる人と頑張れない人がはっきり分かれる。
夫婦になる人とは、富士山に登れ🗻という言葉を聞いた事はないだろうか。
人は体力、精神力が極限の時に本性が見えるという事。極限状態でも相手を思いやり、人の為に動ける人間は器が大きい。
人のため、人が喜ぶ為に、周りを喜ばせろ、人の為に生きろ。これは毎日毎日アシスタントに伝えているが、伝わっているだろうか。
時代は変わり、生き方が変わっても思想は残る。技術は誰からでも教われるが、思想はその人からしか教われない。
この思想こそが1番の宝だと思っている。しかし、思想を語り継ぐ事こそ難しい。
なぜなら、それは他人の価値観を変える事。人間を変えてしまう事に繋がるからだ。
7年くらい前に独立したスタイリスト金野が、新人に伝えていた事がある。
それは「うちに入ると性格が変わるよ。私は変わったから!」だった。
・人を待たせないための返信のスピード、
・ちょっとした隙間時間でリースのアポイントを入れ、一緒に働く仲間を安心させる事。
・客前で1番居心地の良い接客をする事
・期限を前倒しで提供する姿勢
・とにかく元気で、エネルギーを与える事
この辺りは脈々と後世に受け継いで欲しいと願っている。それが津野が思うスタイリスト道である。
道を作るとは、自分だけの逃げ道を作る事ではない。
石を投げられ、資材を投げ打ってでも、他人を喜ばせ、人を助けようとする意識や、語り継がれる思想を残す事である。
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