仕事がファッションスタイリストなので、服のコーディネートのプロだと思って世間は接してくれる。
皆がビジュアルに関して質問してくれる。
「この服とこの服どっちが良いと思いますか?」
「この服にはどっちのパンツが良いでしょうか?」
その時に、もじもじしてたり、声が小さかったり、自信がなさそうだったら どう思うだろう。。。
「え、この人プロでしょ?大丈夫か?」
そう思って、質問を止めるだろう。そして、2回目頼まなくなる。
人の「人をみる目」をあなどってはいけない。
目のそらしかた1つ。声の小ささ1つ。質問から解答までの間の取り方1つで、今後関わって行こうかいくまいかを判断する。
ここに関しては、各々が数十年かけて培った能力だ。騙す事は出来ない。
最近ウチの子供が抗生剤のお薬が飲めなくて、悩んでいた。少し津野が席を外した瞬間に無くなっていた。
戻ってきて、「お薬のんだ?」と聞いたら 飲んだという。その自信のなさ、目を合わせない弱気、声の小ささで飲んでない事は一瞬で分かった。
問いただすと捨てていた。
人の嘘はわかるものだ。
では、立派で安心感あるプロとはどういう人か。
それは、度胸があり、自信がある人。
現場で必要な能力は頭の良さではなく、立ち振る舞いと気持ちである。
周辺スタッフからの質問に対し、間違っていようが、合っていようが、自信をもった振る舞いが人の関心を惹きつける。
我々は、服に関する安定剤としての役割を堂々と真っ当する事が大事なのだ。
先日の広告撮影で、
「津野さん!コレとコレで迷ってるのですが、、、」とアートディレクターが質問をしてきた。
コレに対して、その辺のスタイリストの2倍〜3倍の声の大きさで ただ質問に答えただけで「有難う御座います!」とお礼を言われてその場がおさまる。声の大きさは非常に重要な要素だ。津野は声が大きい人が大好きだ。声の小さい人は信用できない。
例えば、スタジオに着くと制作やスタジオマンが荷物を持ってくれようとする。それに対しても「自分で持てるので大丈夫です」とかいっちゃいけない。
なぜなら「お客様の荷物を持たないと、スタジオの先輩から頭を叩かれるから」だ。
だとしたら、「コレとコレ持ってって下さい!」とハッキリ大きな声で言うと立派に見える。
「この人堂々としてる!」と思われないと損である。
クリエイティブに関して正解はない。自分が良いと思った事が自分にとっての正解である。そこには、ある程度のチームに対する協調性や、経験の裏付けは必要となるが、今出せる解答をハッキリと出せば良い。
しかし、新人スタイリストやアシスタントは経験が浅いせいかフワフワしている。それが、周りを存分に不安にさせる。
津野もアシスタント経験者なので、人の仕事で堂々とする事に対して気が引ける気持ちは分かる。しかし、スタッフからしたら、れっきとしたプロだ。
プロなのに、ただオドオドしているというだけで、悪い評判が回ってしまう。分からないなら、分からないなりに堂々とした方が相手は不安を解消できる。なので、ビビってはいけないのだ。
この動じない精神力が独立への第一歩であり、マネージャー、タレント、ヘアメイク、制作へのアピールの一環である。
そして、一度強固な信用を植え付ければ、そうそうひっくり返る事はない。
新人スタイリスト、アシスタントの面々よ。
「我、職業スタイリスト!!ここにあり!!」と言わんばかりに
大きな声で堂々と、仕事しようではないか。間違ってたら、「間違ってました!」と大声で訂正している方がカッコいい。
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