1人では覗けない世界を見せてもらったら

プロフィール

忘年会で独立した先輩達に質問した。

「アシスタント時代を振り返って感じる事はなんですか?」

答えは下記だった。

「キラキラした現場を間近で見る事が減る。」

キラキラした現場とは、テレビ局のバラエティ、映画のレッドカーペットなどを指す。

つい先日も映画「グランメゾン」のレッドカーペットを間近でみたが、やはりお金のかけ方と演出は凄い。

新宿歌舞伎町を封鎖して、二階建てバスに木村拓哉さんら御一行が乗車し、選ばれし観客の前で手を振りレッドカーペットを歩く。

当然観客からは割れんばかりの歓声。その中を早速とドレスアップしたスーツで通り過ぎる。

まさに非日常である。津野は度々このような現場に行っているため、鳥肌が立つまでの気持ちにはならないが つい先日まで地方で学生をしていたアシスタントにとっては、非日常中の非日常だ。

独立して直ぐに、有名俳優のスタイリングに恵まれるスタイリストもいるが、通常はそうではない。

まずは細かい仕事から振って頂き、まだ知名度がコレからのタレントと共に、階段を上がって行くことになる。

津野もそうだった。芸能事務所に「俺を所属させてくれ!」と何社も飛び込み営業してやっと、ホリプロ所属になった鈴木亮平くんを担当し、まだ世間は誰も知らない状態から、一緒に階段をあがった。

広瀬姉妹も、有村架純さんも、剛力彩芽さんも、間宮祥太朗くんもそうだ。新川優愛さんも福原遥さんも山本舞香さんも、高橋文哉くんも、今の位置につく何年も前から共に、時間を過ごした。

タレントさんの方は、一気に名前が売れて行くが、スタイリストは裏方だから華々しく売れて行くわけではない、一歩ずつ着実に階段を登る感覚である。

そうやって時間をかけて、辿り着いたキラキラした場所に、アシスタントやインターン生は いきなりポンッ!と配属になる。なんとも有難い話である。

思い返せば津野も同じ様に、アシスタント時代、素敵な現場を沢山師匠に見せて頂いた。あの時代、あの瞬間にしか見る事ができなかった経験をさせて頂いた。

場所を提供する立場に立ってみて、若者に対して思う事は、「謙虚になれ!」そして「ワクワクしろ!」である。

この2つを持たずして、現場に来る人がほとんどだからである。

例えば、

・現場の下調べをして来ない。

・現場は見せてもらって当然のような態度

・メイクをして来ないで、マスクをする。

(メイクの強制はパワハラらしいが、タレントさんの見え方に迷惑がかかるから、パワハラは無視である。)

・モニターを陣取って、周りに気を遣わない

・TPOをわきまえない服装

・スタッフの力になろうとしない

この辺は心が痛いアシスタント、インターン生は多いと思う。謙虚でワクワクしている「素敵な若者」は非常に少ない。

「堂々としろ」というのと、「生意気な態度」は似ているようで全然違う。

外交的に津野はブランディングで、ヘラヘラしている様に見せているが、めちゃくちゃ人を見ている。

この人 生意気だなぁ、、と心の中で思っていて見過ごしている部分は沢山ある。

自分の力では見る事が出来ない光景を、目の当たりにしていることに感謝して、謙虚にワクワクしてくれたら、場を提供した方も幸せになるもんだ。

何事も感謝を顔に出して生きて行きましょう。

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