弊社は入ってきて直ぐに、1日平均2本〜3本の撮影が毎日続く。それが当たり前。当たり前は有難みを無くす。
お母さんの夜ご飯が当たり前になった時点で、「御馳走様🍚美味しかったよ」すら言わなくなるのが人間だ。母親だって貴方と同じ人間、金にもならない料理を人生の時間を削って貴方に提供している。当たり前は、人をダメにする。
弊社はgoogleカレンダーに入力された住所をタップすれば、津野がアシスタントを現場に連れて行く🚗ほとんど行った事があるスタジオなので迷う事はない。しかし、ナビでも分かりづらいスタジオもある。
その時はスタジオ付近で車を止める。歩いて付近を散策してスタジオを探す。この様な毎日である。津野は今の生活が長年染み渡っているので、スタジオ付近の細かい地図を読む事はない。全て同乗するアシスタントに任せている。
しかし、これを見てこないために案内出来ない人もいる。困ったもんである。現場付近で車を止めて歩いて探すのは他でもない、先方から送られてきた詳細の地図を見ずに、住所だけで到達しようとしているからだ。
しかし、コレが1週間に1本の撮影だったらどうだろうか。場所は勿論のこと台本の中身まで詳細を隅々まで読み込む時間があり、迷う事もないだろう。
数年後アシスタントはこの生活になる事は間違いない。週に1本、月に1本しか撮影に呼ばれない。そんな生活である。つまり、1本の有難みを分からないまま独立していくという事になる。
アシスタントも慣れてくると自覚が芽生え、台本を読み、場所を調べる事は習慣になる。しかし、初めは皆読まないし、場所も適当である。
津野は時間さえ上手く組めれば、全ての現場に顔を出すので1日に複数件ハシゴするが、アシスタントは1日1本なので、熟読して撮影に臨むべきである。
学生からすると「撮影の詳細を読んでくるなんて、当たり前でしょ」と思うだろうが、当たり前が当たり前で無くなってくるから怖いのである。

つい先日もTBSで10分入庫出来なくて警備員に待たされた。申請は通っている。マネージャーは局員さんに「スタイリストが困っている」と話してくれた。
すると、マネージャーは局員さんから「津野さんには事前に車は停められない事はメールで伝えてある。」と言われたらしい。
弊社の津野宛のメールはアシスタントが全員見れる。ギャラもフルオープンだ。
『津野お前も詳細読んどけよ。』と思われるだろうが、動線の云々の詳細は一切見ない事を決めている。そこに脳のリソースを使いたくないからだ。
何様だと思われるかもしれないが、客を楽しませる事、良い服を持って行く事以外の全ての情報は、遮断する事に決めている。
そこはアシスタントさんが徹底的に読むものだと伝えてある。何が言いたいかと言えば、もっと一本を大事にしろと言いたい。
1生をダラダラ送る人は1日をダラダラ送る。撮影100本を真剣に取り組めない人間は、撮影1本すら真剣取り組めない。まずは、1日1本を絶対に失敗しない様にシュミレーションして来て欲しい。

アチーブメント青木社長の「事前の1手は事後の100手にも勝る」この言葉は正にその通りである。
毎日毎日「明日の撮影はもう完璧。これ以上やる事はない!!」と思えるほどに熟知して三年間を過ごせば、それはそれは凄いスタイリストになれる。
身の引き締まる想いで1本を大事にして欲しいものである。

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