今年もサンプルセールで大量に服を購入した。おそらく100万円近く買っただろう。サンプルセールとは、半年間モデル着用で使った販促用の服を売り払うSALEだ。店ではなく本社が主体として関係者の皆様向けに開催する。
モデルが着倒した中古のサンプルなので、縫製が行き届いて無かったり、実際には売らない商品などが並ぶ。基本的には男性180cm女性165㎝で作られており、70%📴で購入できる。津野は身長が170cmなので、サイズが2サイズくらい合わず、ブカブカ。。。背が高いスタイリストが羨ましいと思っている。
100万円買ったとしても自分の服は1着も買っていない、全て未来に仕事で使える事を予見して買った服である。
では、無数にあるアイテムから、どの様な視点で服を買うのか、、、。その理由は、自分が担当するスタイリストのジャンルによるものが大きい。
芸能のスタイリストはタレントを映えさせる必要があるため、色の奇抜なものかモノトーン(後で色を入れやすい)を選びがちである。
購入に際しての優先順位としては、
①何度使い回しても視聴者、タレントさんにバレないオシャレな下の服(パンツ、スカート)と靴
②イベントなどで使いやすい、奇抜で大人っぽいドレス、セットアップ
③一度使ったら、印象がつくデザインの効いたトップス

この辺りだろう。
この白のスカートなら50人はカバーできる。この靴なら100回使っても使い回しと言われない。という様なものから買って行く。
何故腰から下の物を優先的に買うか、、、その理由は、トップスは顔まわりになるので、2人のタレントで使用すると【使い回し】と言われて仕事が無くなるからだ。
トップスはリースでシーズン毎に足を使って借りる。下は最強のSALE品で行く。というのが、スタイリストの王道である。
ただし、ファッション誌に関しては流行を発信する必要があるため、SALEで買った私物はできるだけ使わない様に気を使っている。
タレント仕事は、流行よりも 既に完売したアイテムすら複合して1番可愛い服を着せないと行けない。よって、「過去の名作スカートを使用したりもする」という事だ。
また靴に関しては、服に対して貸してくれる会社がとても少ないので、買い進めて私物を使うのが王道である。

津野は15年スタイリストをやっているので、シーズン毎に10社のSALE会場に行く。つまり、概算で300回SALE会場に足を運んで買い進めたという事になる。
そして、そのほとんどを事務所に溜め込んでいる。よって、事務所は服でパンパン、通路のスペースを確保する事にあくせくする毎日である。
中には「何でこんなの買ったんだ?」みたいなアイテムも沢山あるし、流行も変わってしまって、今は使えないシルエットの服も沢山ある。
だとしたら、捨てればスペースも確保出来て良いじゃないか、、、と思われるかもしれないが、捨てない。理由は、時代物の企画やドラマが入った時に使えるからだ。最近は平成のギャルファッションの企画は多い、、、。
弊社はこの様にして服を自前で沢山用意して、急な仕事も乗り切ってきた。このやり方は、師匠から受け継いだやり方だ。つくづく弟子は師匠を見習うんだなぁと思っている。ただ、全てのスタイリストが津野のタイプではない。
昨日来店したスタイリストの岩切さんは、家に物が溜まるのが嫌で、SALEで購入して何回か使ったら全て処分していたようだ。
確かにそっちのほうが家賃も安く収まるし、住みやすい。ただ、急な撮影の時にはバタつく。貴方はどっちを取るだろうか。

ちなみに、今の事務所は2ヶ所目。
①初めは50へーベーの恵比寿のアパート家賃15万に6年。
②今は150へーベーの深沢の一軒家29万に10年。どの事務所も沢山の思い出がある。そして、いよいよ3回目の移動の時がきた。
③次は211へーベーの恵比寿のビル
正直、今とあまりサイズが変わらないので、少し窮屈ではある。しかし、残念ながら都心で211へーベーのビルの支払いが現在の弊社では限界。。。
ここは2年の定期借家契約。よって次のステージは2028年に、更に大きな400へーベークラスのビルにステップアップする事。来月からの恵比寿のビルの更に上のワンフロアが開けば、そこを契約したいと思っている。
まずは次で事業を当てなければならない。スタッフ1000人の会社にする為、日々全身である。

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