スタイリストは贅沢品

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BLDという男性5人ユニットのボーカルのスタイリングだった。

予算の関係で、ボーカルのみのスタイリング

その時、私服で望んだメンバーの1人が、

「津野さん いつも持ってくるものカッコイイですよねー、良いなぁ、、、」といった。

この最後の「良いなぁ」は分解すると

「服を用意して貰えるタレントは羨ましいなぁ」である。この言葉の余韻が今も残っている。。。

2024年の時点で、芸能人は24,000人

(タレントデータバンク調べ)その上位何名にスタイリストが就くのだろう。。。1割未満な事は間違いない。

スタイリストは贅沢品。軽い取材なら、私服で写真を撮られるタレントは大勢いる。

弊社は衣装レンタル事業「お貸しやさん」を万人向けにオープンしたが、内心「お客さんはスタイリストが大半だろうな、、、」と鷹を括っていた。

しかし、蓋を開けてみれば、芸能人の方からも感謝の問い合わせを受けた。

「イベントで、スタイリストを付けられない事が多々あって、その時に借りたい。良いですか?」と言われた。

思いも寄らなかった。。。詳しく聞くと、イベントは毎年やっているが、

正直、人件費、グッズ制作の経費、会場代など諸々入れると利益はでない。

本当に無償のファン感謝デーになっているという。

当然、衣装になんて予算をかけられない。

でも、「それなりの格好をしないと遠くから来てくれたファンに申し訳ないから、安く衣装を借りれるのは有難い」と言われた。

 

思い付きでレンタル事業をやってみたら、知らずに他人の力になっていた。

我々スタイリストは、日々依頼を受け、服を持っていきその手間と引き換えに手数料を貰う。そういうビジネスモデル。

これが毎日となると、当たり前となり、スタイリストは贅沢品だという認識が薄れていく。

なかなかスタイリストを付けられない人にとっては、我々が稼働する日は特別な日となる。友達の結婚式に出席するような感覚だろう。

その日を、華やいだ人生の思い出となるよう、我々は精一杯の努力をしないといけない。

自宅に帰ったら、番組制作会社のプロデューサーが遊びに来ていたので、BLDのメンバーを紹介しておいた。

TV局や制作会社のプロデューサーの机の上には、毎日毎日沢山のタレントさんのプロフィールが置かれている。

各事務所のマネージャーさんが、日々 足繁く営業にきている賜物だ。

ココ数十年それが当たり前の状況。つまり、局や制作会社のプロデューサーは選びたい放題なわけだ。

この状況で選ばれるのは至難の業。マネージャーはより強固な人間的繋がりを作らないと、押しても押しても刺さらない可能性がある。

タレントさんのPowerもさる事ながら、マネージャーがどれだけ制作と仲が良いかに左右される。

とあるプロダクションのマネージャーが、局に営業に行った時の話。

積み上げられたタレントプロフィールの山を、丸ごとゴミ箱に捨てる光景を目にしたという。

当然相手は「見られていない」と思ってやっているが、目の前でバザーっと捨てられた事に、「かなりのショックを受けた」と話していた。

「1000枚の名刺交換よりも、1回のインパクト。」

これは津野が名刺交換の時に掲げている目標ではあるが、

マネージャーは、どれだけ短時間で自分の存在を相手に刻み込むかが、事務所およびタレント生命の明暗を分ける。

他が持ち出さない切り口で、話題を持ちかけ仲良くなろう。

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