事務所でフィッティング。
・アナウンサー兼タレントのスタイリング
・政府関係のため、若干固めのイメージ
・スーツではなく、柔らかい色合いのビジネスウーマンスタイル。
・パンツスタイル
・秋放送のため、ジャケットは長袖で
・バック不要。アクセサリーはお任せ。
・歩きやすいパンプス
・トップ、ボトムスとも写真の色は変えてok
このように依頼が来る。
当然そこに沿う形で準備した。
長袖JK6点、ベスト1点の比率だ。
フィッティングスタートするや否や、タレントさんの要望は、「暑いから半袖が良い。JKは辛い、、、。」
この段階でJKが消えたわけだ。絶望感、、、。確かにそうだ夏場のロケで本人は暑がり、、、。
ココが本当に難しいところである。
事前にマネージャーさんと打ち合わせていても、当日ひっくり返る事がある。
こうなると
ベストで何とか回さなきゃいけない。だが、
ベストは1つしか出ていない。
タレントさんに言われた瞬間に、津野は長袖ブラウスで組んでいたベストのコーデを半袖に変えて、ベストで組み直す。
皆さんなら、師匠が組み直すこの瞬間にアシスタントは何をしなきゃいけないと思う?
フィッティングしている場所は 事務所。ベストは探せばいくつかある。それを持って来ないといけない。
残念ながら今回は「ベスト持ってきて」というまで、誰も足が動かなかった。
先が見えるとはそういう事だ。
1点しかないベストでやり繰りし、「決まらないリスク」が訪れる前に、
他にもベストの用意がある事をタレントさんにプレゼンしないといけない。
1秒でも早く。
ここにスタイリストとアシスタントの阿吽(あうん)の呼吸がある。
アシスタントも独立間近になると、スタイリストが2人いるような感覚になる。
ピンチが訪れた1秒後には、それを補填する為の案を探しに倉庫に走っていたりする。
この打ち合わせに対する集中力と、状況判断能力が非常に大事。
これはスタイリスト業に限った事ではない、どの社会人のプレゼンでもそうだ、
AがダメならBのスピードが早ければ早いほど優秀。
その場の空気を瞬時に変える能力が 先読み力であり、頭が良いと言われる所以だ。
口では冗談をかましながらも、お客様の為に全身全霊をかけて足は動いている状態が最も美しい。
スタイリストが本領発揮できる1番キラキラした時間は、6時間の撮影の中でも、フィッティングの10分だけだ。
一般企業でもそうだろう、プロジェクトを進行する時の打ち合わせの数分で契約に持って来れる人が出世する。
ココで思考・足が止まっていては、元も子もない。
フィッティングを成功に持って行くには、チームプレーが必然である。
結果として、ベストのLOOKで成功に持って行く事はできなかった。
準備失敗。先が読めてなかった。
季節感の見通しと、お客様への愛情が足りなかったと反省している。
ウチは事務所のマネージャーから仕事を頂いている。つまり、事務所とタレントを勝たせないといけない。
制作サイドの要望は3割取り入れ、タレントさんの意向を7割入れて考えてあげないといけなかった。。。
いつまで経っても未熟者である。
まだまだ経験が足りない、そう思えるフィッティングだった。
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