大事なフィッティングだった。
津野+アシスタント2名。
服はすぐ決まった。しかし、スタッフのコミュニケーションは最悪だった。
個人的には、残念な結果に終わった。
服が決まれば、タレントと編集部は万々歳。しかし、こちらは終わるや否や反省会である
今回は珍しく有名俳優がわざわざ、津野に合わせて時間を作ってくれた。
津野よりも短い時間で何倍も稼ぐような人だ。津野とは価値が違う。
しかし、「津野が撮影日に現場に行けないから」という理由だけで事前に時間を割いてくれた。
しかも、有名雑誌の編集長まで同席した。こんな事は滅多にない。下請けに合わせてくれる人なんて、世の中どこの業界探してもない。
こうなると、最高のパフォーマンスをしないといけない。何日も前から編集長に複数枚 服の写真を送って、調整してからの今日だった。
長くスタイリストをやっていると今回のように
フィッティング会場に入る前に深呼吸するような、貴重なスタイリングの場に遭遇する事がある。
・有名グループの大人数のフィッティング
・大きな映画のジャパンプレミア
・紅白歌合戦の審査員
例えば、このようなやつだ。
顔は笑って軽快なトークをしつつも、感覚は研ぎ澄まされて緊張している。
華麗に立ち回って、畳み掛けるようなスピードで勝負をつけたいと思って、つま先立ちしている状態だ。
何が良くなかったか。。。
コーディネートを4体(A⇨B⇨C⇨D)の順に 着てもらった。
A・・・60点
B・・・85点
C・・・90点
D・・・100点
という順番で着用ごとに写真に収めた📸
Cを着た段階で、Bと迷った。
そこにタレントのチーフマネージャーが登場。
Cを目の当たりにして、「カッコイイ」と褒めている。
だが、我々はBと迷っている事を告げた。
🙋さぁ問題。
「アシスタントはこの時何をしないかいけないか。」
そうだ。撮った写真を即座にチーフマネージャーに見せないといけない。なぜなら、チーフは見れていないからだ。
チーフが入ってきた瞬間に。
アシスタントに「写真出して」と伝えたが伝わらず、隣にいた部下の現場マネージャーが気を遣って写真を出してくれた。
その後
最後にDを着て決まった。しかし、今度はBとDで迷いだした。
🙋さぁ皆さんならどうする?
そう。「その議題に入った瞬間にBの写真を机の上に出さないといけない。」
これが先を読むという事だ。
「その場にいるスタッフが何を求めているか」
「どう立ち回れば皆の役に立てるか」
それを毎秒考えていないといけない。師匠と編集、マネージャーがガハガハ笑っている時も、一緒に笑っている場合ではない。
アシスタントは、「今何をしないといけないか」を意識する必要がある。
気がきく、先を読む。とはそういう事だ。
一般の子からしたら、「そんなちょっとした事気にするなよ。」と思うだろう。しかし、
そのちょっとした事に気付かない人がドンドン周りから消えていった。
「あいつは、ぼーっとしてる」
「あいつは、気が利かない」
そう言われ、レッテルを貼られる。
それが取引相手だと、気を遣ってか具体的に何がマズかったかを告げられず、人が離れて行く。
だから、弊社のスタッフには わずかなバグを潰せる人になって欲しい。
今回のスタッフもコレを機に、フィッティングに対する意識をもっともっと上げて頂きたいと思っている。
今回の件で、もっと前のめりにならないと!!と思ったはず。それで良い。失敗して失敗して鍛えて言って欲しい。
今回1番問題だったのは、その苛立ちが編集、タレント、マネージャーに伝わった事だ。。。隠そうと思ったが隠せなかった。
津野もまだまだ器が小さい。台湾の小皿のように小さい。
「いつも大らかな津野さんがイラついてる?」そう思わせてしまった🤦
年々経験値が増していく。いい意味でも、悪い意味でも増す。
10年前より動けるようになった。
5年前より動けるようになった。
今は過去1番動けるようになった。
アシスタントは毎年入れ替わる、上が抜けて下が入る。すると、上ほど経験のない下が入る。
また津野との差が開く。
来年入るアシスタントは、過去最高に頭がきれている師匠に会う事になる。御臨終である。
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