スタイリストはモノ集めが9割だ。
服を集めてしまえば、服だけがロケ地に行く事は多々ある。
スタイリスト本人を現地まで連れて行ってくれる媒体は、
・単にお金があるか。
・無理にお金を払ってでも楽したいか。
・事務所さんの建前で連れていくか。
どれかだ。
スタイリストに来てもらい、アイロンなり服の段取りをして貰った方が、撮影スタッフとしては楽だろう。
しかし、服さえ決めてくれたら
移動費・宿泊費を押さえれると思っている媒体は、衣装を預かって自分達で持っていく。
コレに関しては賛否両論。
稼働しなくてもお金を貰える点では最高だし、媒体さんのお金で、地方や海外を味わいたい人は行きたがる。
スタイリストは、メイクやカメラマンと違って当日は大してやる事がない。その代わり、事前に数日稼働しているわけだ。
この「スタイリストの事前の稼働」を屁とも思っていない人が多い。
撮影前日に何の配慮もなく方向性を変えたり、当日服を見て着たくないと言ったり、、、わがまま言いたい放題。
しかも、事前に写真を送っているのに、当日嫌味を言われたりもする。
事前に写真を送らず、当日嫌な顔をされるならまだ良い。的を外したモノ集めをした我々スタイリストが悪いと思っている。
しかし、
・前日に写真送っているのに当日文句。
・写真でチェックした上で、我々が代理で買い取って渡したら、「なんか違うから返品してくれ」
・タレント本人が「もともと伝えていたJKではなく、ニットが着たいらしいから変更してくれ」と前日に言ってくる。
・撮影日に、言われたシャツしか用意してないのに、ニットありませんか
と言われたりする。
この時、皆さんはどういう対応をとるだろう。
喉から手が出るほど、「いい加減にしろ!」と言いたいが、過去何度も何度もこの言葉を飲み込んできた。
なぜなら伝えた所で問題解決にならないからだ。
飲み込むしかない。
そこに少しの配慮でも見えたら、気持ちも落ち着くが、その言葉がない人は一定数いる。
「下請けは大元の言う通りに動け」とも言わんばかりの対応である。。。
文句を伝えても良いのは、取引が終わっても良いと思った場合のみだ。
過去一度だけ、「もう良いや!」と思って俳優さん本人に電話した事がある。
「毎回毎回、衣装に関して納得されないので、貴方のスタイリストは津野ではないのだと思います。残念ですが力不足です。他を探して下さい。」
と
すると、本人からは
「冷たい事を言わないで下さい。今まで仲良くやってきたじゃないですか。これからも宜しくお願いしますよ。」と言われた。
勇気をだして、発言すれば分かってくれる事もあるのだな、、、と意表をつかれた、、、。
そして、今でもその方とは付き合いがある。「あまりにも、、、」の状態の時は本人に伝えてみるのも吉、なのかもしれない。
いづれにしろ、仕事を長くしていく上での配慮は絶対必要である。言葉にしないと伝わらない事は沢山あるという事。
配慮のある人達に囲まれて生きていきたいと心から願っている。
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