スタイリストの金額交渉は、与えられた権利だ。堂々と交渉して良い。相手が低く設定しようものなら受けなくても良いし、快く了承しても良い。自由である。
ブランディングとして、絶対に料金を下げない人もいるだろう。代償として仕事を失うかもしれない。しかし、ブランディングの為なら仕方あるまい。
ただ、半分くらいの確率で、仕事後に料金交渉してしまうクライアント様もいる。
本当は、こちらがお金のことを話してから、進めないといけないのだが、ついつい「お金よりも服を探す事に 注意が行きがち」で忘れてしまう事がある。
「テレビ」や「雑誌」で既に媒体側に《規定料金》がある場合は、基本交渉はしない。しかし、「広告」や「舞台挨拶」、「イベント」は基本交渉となる。
(「テレビ」や「雑誌」で交渉する場合、足りない分を事務所さんが補填される事もあるが、どう考えても「厄介スタイリスト扱い」となるのでオススメはしない。)
今回も事後の交渉だった。

クライアントは、交渉を拒絶する一点張りだった事もあり、結果として「相手の言い分を通した金額」に落ち着いた。
何処までも戦い続ける事も選択肢だが、その「手間」と「気分」を考えると闇を感じたので手を引いた。
ここから学んだ事は、ビジネスパートナーとしての立ち振る舞い。ビジネスで素敵な結果を残したいのなら、互いが納得する所で、気持ちよく落とし所を決めた方が「もう一度一緒に働きたい!」となる。
過剰な料金設定、過剰な要求、過剰な頑固さは良質な結果を生まない。
(これは自社のスタッフ間の「人間関係」にも言える事である。)
互いに、守るべき家族や社員がいるので、言うべき事は言わなければならないが、
●一度のやり取りで大金を奪い取るが、リピートは来ないのと。
●互いの良い所で金額を決めて、リピートを頂くのでは、
その後の人生に大きなインパクトを与える。
ブランディングを取るか、リピートを取るか それはその会社の考え方による。
弊社は断然リピートを取るに舵を切っているので、後者だろう。
よって、折れるべきタイミングでは折れ 戦うべき所では主張し、バランスを取っていく必要がある。

津野も今に至るまで、沢山の強気交渉をしてしまったが、その相手のほとんどは良い印象を残していないはずだ。反省している。
スタイリストと制作の料金交渉が、仕事をくれた芸能プロダクションにまで飛び火したことは、何度もある。その度に、マネージャーさんには厄介をかけた🥲申し訳なかった。
世の中に交渉が好きな人は、ほぼ居ないだろう。交渉業務を避けるスタイリストは皆 マージンを払って人を雇い、その方にお願いしている。その気持ちも分かる。《交渉=戦い》のイメージは拭えない、、、。
ただ納得いく結末を迎えるため、津野はコレからも自分で交渉していくつもりだ。
料金交渉で負けてみて思った事は、気分よく仕事を終えるためには、制作とバランスの取れたコミュニケーションが必須と言う事。
その柔軟なバランス間隔が大事で、コレも一つの対人コミュニケーションである。頑固過ぎも🆖、優し過ぎも🆖。
互いの空気感を探りながら、いがみ合わない良好な結末を目標に、交渉の言葉一字一句を、丁寧に選択して相手に投げていこうと思う。
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