徐々に減るスタイリストの仕事

プロフィール

1通のお礼LINEが届いた。「津野さん美人百花編集部のAです。雑誌休刊に伴って退職する事になりました。在職中は大変お世話になりました。また何処かでお会いできる際は、ご一緒したいです。」

また1つファッション誌がなくなった。20年の歴史に幕を閉じた。当然、専属のスタイリストは路頭に迷い困窮するだろう。

津野も若手の頃 毎月入るレギュラーファッション誌からの12万円が無くなって、キツイ思いをした事がある。テレビのレギュラーも1つ無くなると3万✖️4週で12万減る。かなり痛い、、、昨日も卒業生がレギュラーを失って頭を抱えていた。

我々スタイリストは、他にも仕事があるからまだ良い。しかし、編集部は大変である。丸々給料が無くなるのだから、、、。

今日以降もファッション誌は、個性的なモード誌以外は無くなって行くと思っている。

ブログ読者のスタイリストの中には、「私は芸能だから良かった。」と安心しては居ないだろうか、、、。それは少し甘い考えである。

津野みたいな芸能バリバリのスタイリストでさえ、雑誌を不定期でやっている。そこでアイドルの男の子達をやらせて頂く。その機会すらも消えて行くという事である。

つまり、仕事が来る源泉がドンドン減っている。収入を安定させるには、減少した分を他でカバーする必要があるという事だ。

雑誌の代わりに出てきたメディアと言えば、YouTubeやWEBメディアであるが、 YouTubeはまだまだ予算の無い案件が多く スタイリストを発注出来るほど予算が無い。

WEBメディアはかなり増えたが、雑誌ほど予算はなく、当初 各雑誌毎に予算が出ていたものがWEB3社まとまって 3万円にされる。

そうなると単純に仕事数は減り、ギャラも減るという一途を辿っている。

スタイリストの活躍する場は徐々に減っているのだ。

では、どうするか。答えは受注先拡大の為の分散である。雑誌スタイリストは、雑誌がまだ残っているうちに芸能にアプローチをかけないといけない。

「良い仕事をしていればお声がかかる」なんて甘い事を言ってはいけない。言葉にして、相手にしっかりと意識付けしないと想いは伝わらないのだ。    

例えば、好きな人に直ぐに「好きでした。」と言える人と1年かかってやっと「好きでした。」と言う人では、チャンスの量が変わる。

とりあえず、スタイリングしたい人がいたら、片っ端から声をかけておいて損はない。

津野も先週 台湾に撮影に行ったが、台湾の現地テレビにビビアンスーさんが写った事をキッカケに、ビビアンさんのインスタグラムに、「スタイリングさせて下さい」のDMをした。

なんともう2回目のDMである。

仲の良いプロデューサーさんが10年前に教えてくれた大事な言葉がある。

「津野ちゃん仕事調子よさそうだね。仕事が回っているウチに営業しておきなよ。

大抵の人は仕事が無くなり初めてから、焦って営業をする。それじゃ遅いからね。売っ子からの営業は効き目がある。売れなくなってからの営業は相手にされないからね。」

上記はまさに、忙しい時に見過ごしてしまいそうな内容であろう。

常に人の逆を行く。価値は数が少ない方に宿る。その意味を改めて気付かされた言葉であった。

仕事は早かれ遅かれ減少する。それは間違いない。そのスピードをどれだけ遅くするかは、現役時の動きに比例するのかもしれない。

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