打ち辛い球をホームランする方法

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先日、4人組アーティストの「ミュージックビデオ」と「アーティスト写真」の撮影を終えた。初めましてで、服を集める時間は少なく8体分だったので依頼者は とても申し訳無さそうにされていた。

ただの衣装発注なら問題ない。しかし、今回は世界観に重きをおくアーティストさんなので、服は非常に重要な要素になる。2体のウチの

Aは過去の作品の世界観に寄せた服

Bは白装束のような服

とそこそこ難易度の高い発注だった。

弊社は難易度高めで売ってない服を、世間からかき集める事には慣れている為、ある程度余裕を持って衣装案を提出できた。

その後フィッティングを行い、アーティスト、事務所さんともに満足され 撮影も無事に終えた。

我々スタイリストも衣装発注するレーベルも、過去の経験から「集めやすい服」「集め辛い服」というものが存在する事を知っている。

いわゆるユニクロなどで、大量に売っているものは集めやすい服、色が奇抜だったり、LIVEでしか着れないようなデザインの服は集め辛い服となる。

辛い服を集めるのは非常に難解である。

理由は

・奇怪な服を探す事に時間がかかる。

・仮にビジュアル目標に近いものは集められても、アーティストが思い描くビジュアルに到達しないケースがある。

・更にリスクヘッジで複数点 提示するほど服がない。

この辺りだ。今回はたまたま互いのイマジネーションが合致したため上手く行ったが、当然そうではないケースも数多く存在する。

ココで重要なのは、打ちにくい球をどう打ち返すかで、スタイリストの力量が測られるという事だ。野球でもピッチャーがデッドボールを狙った暴投を、ホームランで打ち返したら大歓声が上がるように、

想像と結果の差分が大きければ大きい程、人は感動して心を打たれる。いわゆる、圧倒的な結果という事だ

コレを意図的にどう作ればいいか。。。

これはスタイリストだと情報量だ。スタイリング力は二の次である。何処に何があるか 予め準備していた者が勝つ。

例えば、貴方がいきなり黒柳徹子さんの「徹子の部屋をスタイリングを依頼され、明後日撮影」と言われたら、どう思うだろうか。ほとんどの人はお断りするだろう。

依頼者も「助けてくれると有難いけど、多分無理だろうな、、、」と思いながら発注するはずである。

一般的に見て、この仕事は受けて失敗する確率の方が高く、無理して仕事を受けるとスタイリストとしてのブランドイメージが傷付きかねない。。。

しかし、貴方が日頃から懇意にする服屋が、【徹子さんが来そうな服】を沢山の持っていたら、どうだろう。。。簡単に集められる上にプロとしての圧倒的な力を見せつけれるわけだ。

そうなると、若手は何を今やるべきか、、!それは、ジャンルを飛び越えまくって どの様な服でも対応出来る情報量を詰め込んでおく事である。そうすると勝つ確率がグンと上がる。

津野は今でも、過去集めた事のない服の依頼を受ける事がある。つい最近もゴールドのスーツと言われて泡吹いた🫧

その度にアシスタントは、携帯を手に取り情報を片っ端から取りに行く。とても時間がかかるし、大変な作業だ。

しかし、それを積み重ねると後で、めちゃくちゃ楽が出来る。チェックのスカートはA社、レザージャケットならB社、チュールのドレスならC社と頭の中でカテゴライズ出来る。

よって、この大変な情報収集を星の数ほど沢山やれば、将来 圧倒的な成果をアウトプット出来るようになる。  

例えば、1枚で完結するワンピースで依頼が来た時なんて、スタイリング力ではなく、情報量が全てだ

見習い時代に複数のジャンルに手をつけ、沢山の情報を頭に叩き込もう!!

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