スタイリストのキャンセル料

プロフィール

立て続けに3本仕事がキャンセルされた。1つは高市総理による日中関係のもつれで、中国仕事が無くなり、残り2つはタレントのインフルエンザで飛んだ。流行っておる。。。

このキャンセルに関して、一言物申したい。ほぼ全ての業者は「無くなったので、またリスケジュールします。あるいは、今回はすみません。」で終わる。ちょっと待ってくれ、、、直前キャンセルまでに動いた人件費はどうなる、、、そのために開けたスケジュールはどうなる、、、。ココがずり落ちている。

例えば、弊社はアシスタントが4名いる。月100万円1日30,000円が人件費で飛んでいる。物集めに2日かかったとして60,000円、そしてテレビのギャラは1本30000円だ。人件費だけでダブルスコアの赤字である。

弊社は複数案件をまとめてリースするので、資金繰りは成り立つが撮影中止の時のダメージはそれなりにでかい。

しかも、スタイリストは服さえ用意してしまえば、当日はそれを着せるだけ。つまり、8割の仕事は準備にある。現に衣装渡しの地方ロケなんて、準備が10割の仕事である。その8割、10割稼動の仕事が無くなって、キャンセル料なしはキツい。

あまり理解出来ていない制作は「リース料かかってますか?」なんて言ってくるが、リース料よりも稼動の人件費の方がはるかにでかい。。。しかし、「稼動費をお支払いします。」なんて言ってくる制作は皆無である。

制作の負担も大きい事は理解できる。用意していたロケ場所のバラし、照明、音声、カメラチームのバラしなど、稼動の人件費が嵩むだろう。

しかし、予算組が出来るのは制作の特権だ。下請けのスタイリストは制作からキャンセル料の打診がないとどうしようもないわけで、キャストチームへの配慮はして欲しいものである。 

タダほど怖いものはない。無料が1番怒りを買うし、無料で何かを頂いてもカシが溜まる、、、。全てお金に変えておけば、後腐れないのだ。

もし、制作の人がこのブログを見ていようものなら、是非「準備期間の稼動費をお支払いします。」と言ってみてほしい。スタイリストは『この制作、分かってくれている』と感動する事だろう。

ただ、非常事態の時に文句を言ったところで怒りを買う。コロナの時なんて年間の仕事の30%が飛んだわけで、それに1つ1つ苛ついていても、金の亡者だと言われるだけだ。皆大変な時は勿論 協力しようと思う。

必要なのは、言い方だ。つまりコミュニケーション能力である。後処理の配慮・取引先の方の立場・損失を考えた言い方さえ届けることが出来れば下請けから怒られる事はない。

よって、

●「今回からはタレントさんの不調でキャンセルさせて下さい。」で10点

●「今回はタレントさんの不調でキャンセルさせて下さい。キャンセルに伴う準備の稼動費、リースにかかった費用に関しては現在プロデューサーと話しております。少々お待ち下さい。ご納得頂ける資金の捻出が出来なかったらすみません。精一杯掛け合ってみます。」で100点である。

全てにおいてコミュニケーションの能力は必要なので、学生時代から相手の気持ちになってみる努力を惜しんではいけない。

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