自分に時間を使えるうちに

プロフィール

22時に自宅に帰ると、25人の人で家が溢れていた。息子のサッカークラブのパパ、ママ、子供達の忘年会である。

ウチはリビングが比較的広い。人が入れる上に一軒家のため、上下の住民の迷惑も考えなくて良い。駐車場も数台分ある事で、複数の自転車を置きやすい。更に小学校の隣という好条件 で溜まり場となる。

世田谷の深沢という街は、それなりにちゃんとした職業の人が集まるため、1流企業で働く人が多い。マイクロソフト、三菱商事、味の素、トリマー経営、一級建築士、医者など各学校のエリートの就職先がほとんどである。

例えば、三菱商事は平均給与が年2000万円。夫1人だけでも かなりパワー家族である。

彼等が良く口にする言葉は、「我々はサラリーマンだから それなりです。個人事業主には憧れる」である。この言葉はもう何十回も耳にした。

「憧れる」は社交辞令かも知れないが、「なれるものならなってみたい」と本音で思っている事は確かである。

パパさん達に、「サラリーマンで培った人脈を基盤に、独立して事業を立ち上げないか、、、」と聞くが、もう「48歳だからこのまま続けて早期退職で退職金が出れば良いという答え」が帰ってくる。中には、定年まで働きたいという方もいるが、企業側は50歳以降は高級取りな為、早く退職して欲しいと思っている。

まさにミッドエイジクライシス48歳が1番身動きが取れず不幸)と言われる所以である。家族の事も考えると行動が制限されてしまうのだ。。。

行動は制限されるが、毎月の給料は他サラリーマンに比べて多目に貰っている。このまま行けば老後に破綻する事も無いのであれば、挑戦なんかせずに安らかに余生を楽しみたい気持ちも分かる。

我々スタイリストは、食って行けるかも分からないスタイリスト業に、判断の良し悪しもつかない若い頃没入し、そこそこキツイアシスタント生活を送る。

「サラリーマンのお給料と同等は稼ぎたい」と思いつつ、一筋の光に向かって仕事を追い求め励む。結果上手くいくかどうかは神様次第。一か八かのかけである。

注目すべきは、判断のつかない未熟な時期に単身飛び込むことだ。こんな恵まれた時期は「もう来ない」。ある程度 社会人を堪能しても構わないが、30歳手前で勝負に出ない限り、周りの環境と挑戦を天秤にかけると負けてしまう。

人は今しか出来ない事を 先延ばしにしてしまう生き物だ。津野でいうと、大学時代 卒業旅行で行ったフィリピンのスラム街に今行こうとは思わないし、エジプトからの帰りの飛行機に乗り遅れたからといって、日本から送金される飛行機代を受け取るまで 砂漠を彷徨いながら旅をするスケジュールもない。

45歳の母の夢だったハワイ旅行も、75歳になった今連れて行こうと思っても、「体力的にキツイから近くの温泉で良い」という。

老後の為に必死に金を貯めてる45歳の同級生は、死ぬまでに現在の貯金の3割しか使いきれないというデータまで出ている。

人生はそのタイミングでしか経験出来ない事が沢山ある。そのタイミングを逃すと残るのは後悔だけどある。「あの時、あのタイミングで、、、」と後から思わないように、やりたい事は今やろう。

最近研修に来た20歳の子が「スタイリスト」になるか「古着屋」になるか迷っていたが、『古着屋は正直何歳でもなれる。「スタイリスト」は体力ある今 挑戦するべきだ。』と伝えた。

決めるのは本人だからなんとも言えないが、今しかない時間の使い方をして欲しいものである。

アリとギリギリスの物語は、アリが勝つが🐜本質だろうか。。。蟻はコツコツ働いて、いつ報われる時が来るのだろうか。津野はギリギリスのように独走して、休まずぶっちぎってゴールを目指したいと思う。

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