心筋梗塞で運ばれた医師が、自分の病院で緊急手術を受けようとした。その時、同時に運ばれた子供が高熱を出していた。医師はその子の治療を先にやってくれと部下にお願いした。
部下は言われた通り、先に子供を治療した。その後、戻ってきた時には 医師は死んでいた。
これは実際にあった話だ。最後まで目の前の人を救おうとした医師として素晴らしい死に様だと思った。
人の生死に関わるエピソードなので、心に刺さるがスタイリストとして、顧客が服の用意に困っていたら、同じ行動を取る。
その昔、横浜のホールで舞台挨拶が行われた。当時のマネージャーから「田中圭くんのスタイリストが急遽来れなくなった。今すぐ横浜にスーツを持ってきて欲しい!!本番まで45分しかない。」と言われた事があった。すぐに駆けつけ 事なきを得た。
「面倒くさい」「モチベーションが上がらない。」みたいな理由が先に頭に出てくる人は、仕事を舐めている。
例えばモチベーションを理由に、消防士🧑🚒が自宅の火事に出動しなかったらキレるだろう。
モチベーションなんぞに左右されず、どんなに小さな事でも、「自分を必要としてくれる人の為に精一杯、自分の時間を使う」という人間が本当の仕事人である。

先日の夜中の出来事だ。「翌朝8時半に棚を作る業者が来るから事務所を開けてくれ」とアシスタントに鍵を渡そうとした。しかし、既に帰宅後だったアシスタントは、「明日の朝取りに行くので、今夜の外出は勘弁してくれ」と答えた。
理由は簡単。彼女は動くモチベーションが上がらず、面倒だった。結果、翌朝トラブルがあって時間通りに鍵を受け取れなかった為に 時間に間に合わず、業者を30分待たせた。
世の中には、仕事に対して「モチベーション」を大そうに掲げる人間が多い。しかし、仕事においてモチベーションなんぞ全く必要ない。
人命に関わるお仕事の方が、モチベーションを理由に出動しなかったら人が死ぬ様に、そんなものに左右されて生きていては、仕事で上手くいくはずがない。
そもそものモチベーションは、「行動」からしか生まれない。例えば、我が子がゲームに没頭する中で、服を着替えさせたければ、脇を抱えて無理矢理立たせ、ズボンを下ろすしか着替えさせる方法はない。
これが分からない親は、口で「ゲームを辞めて着替えなさい。」と何度も訴える。そのうち怒り出す。すると、時間が倍以上かかる上に、親子感の関係は悪くなる。
人は頭で考えているうちは、モチベーションなんて上がらない事を知るべきだ。まずは行動する。あるいは、行動させる事で徐々にモチベーションは湧くのである。
アシスタントの鍵の話に戻るが、彼女が取るべき行動は、「いかなる雑念があっても、夜のウチに鍵を受け取る為に、1歩目を歩き出す。」だった。そうすれば、嫌でも取りに行く。
雑誌のクレジット書きもそうだ、頭で考えているうちは、1行も終わらない。しかし、「とりあえずクレジットを書こう」と思った瞬間に大枠だけでも終わらせたら、人間はツァイガルニク効果(中断しているタスクが気持ち悪く、強く意識する状態)により、予定を早めて仕事を終わらせる事が出来る。
この様に心理学を上手に利用する事が大事である。「モチベーションは行動からしか生まれない」と言う事を若いうちから意識しよう。
スタイリストをやりたい人にとっては、スタイリストをやりたいと思っている時間は全くの無駄である。とりあえず、インターン先に行って 分からないなりに やってみた方がモチベーションはあがるのだ。

昨日は「教場」の完成披露舞台挨拶だった。主演 木村拓哉さんのメイクさんは中島竜司さん。津野にスタイリストの師匠を紹介してくれたメイクさんだ。
息子さん2人はプロ野球選手を目指されており、1人は社会人野球で活躍され、1人は中学日本1を三連覇した様だ。
野球特待生で【学費免除】の息子さんを題材に上げて、「安く済んで良かったですね。」と話しかけたら、「バカバカ。寮の費用、遠征費用など、野球にかかるアレコレで月に35万の出費だぞ!」と返された。
1人の息子の生活費に月35万、、、。中学校以上のお子さんをお持ちの家庭は本当に大変だと思った。
息子のためとはいえ、人の為に一生懸命稼ごうとする竜司さんは素晴らしい。
これを受けて例えば貴方は、1人の息子の為に月35万円をなんとか捻出しようと奮闘出来るだろうか、、、ここで「モチベーションが、、、」なんて言って行動を制限されていては、家族から白い目を向けられるだろう。
この様にモチベーションに左右される様では、まだまだ未熟者である。仕事を気分で左右するような人間になってしまわぬよう、若いうちから、1歩目を即座に出す努力をしよう!!

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