スタイリストが集まるリース屋を営業すると、スタイリストがどの様な服を求めているかが分かる。これは大変勉強になることだ。
リース屋でわざわざお金を出してまで借りたいという事は、スタイリストにとって かなり使用率が高いアイテムなので、その奥にいるタレントが求めているものが分かる。
お貸しやには1人、スタイリストになりたい文化服装学院の生徒がいるが、バイト先をリース屋にしたのは正解だろう。
我々スタイリストは独立した後は先生がいない。独自で道を切り開くしか方法は無く、技術力も頭打ちとなる。
これは実社会にはない事で、例えばマーケティングを勉強したければ、マーケの本は世の中に山の様にある。講座を受講したければ、携帯を叩けば1ヶ月以内に受けれる講座があるだろう。
営業もしかり、語学もしかりではあるが、スタイリングの講座はかなり少ない。YouTubeで多少勉強は出来るが、津野のようにスタイリスト向けに発信している人はほぼいない。
そんな中、昨日お貸しやでコーディネートをしていたら、レジ横でトルソーに服を着せている方がいて、思わず「めっちゃ可愛い」と溢れてしまった。。。スタイリストさんから苦笑いされた。
その後も別のスタイリストの方のリースリストが、アルバイトの人から送られてきたのだが、「この合わせは思い付かなかった、、、」みたいなコーディネートもあり、楽しませて貰っている。

津野がスタイリストとして独立した時は、スタイリストは敵だとしか思っていなかった。。。お客様の量は限られている、、、その中でどれだけ自分がシェアが取れるかに人生をかけた。よって、同業の友達を作ることを恐れ、極力連まないようにした。
しかし、今やスタイリスト仲間が会社にとって必要である。
この世界には【昨日の敵は今日の友】という言葉がある。激しく競い合った仲間は、真に友達になれる可能性が高いという事だ。
人間関係は移ろいやすいもので、立場が変われば見方が変わる。これを思うと、世界から戦争が無くならないのも理解出来るのである。
つい先日、俳優の玉木宏くんが妻夫木聡くんの事を語ったエピソードが興味をひいた。。玉木くんは若き頃、妻夫木くんに対し「この人に敵わないな、、、と いつも劣等感を感じライバル視していた。常に背中を追いかけていた」と語っていた。
今振り返れば、良い刺激をもらった仲間だと話している。
同世代で売れっ子のスタイリストには、津野も同じような気持ちを抱いていた。
・何故この人には有名俳優ばかりが集まるのか、、、
・センスが良いのはわかるが、天性の才能で客数が増えるのは不公平、、、努力が報われない、、、と
走っても走っても津野の前を走るスタイリスト達を後ろから見て、苦しい想いをした。
なんなら、スタイリストを飛び越えて女優にも同じ様に嫉妬した事がある。「俺は自分で資料を作って営業して、地べたを這って頑張らないといけないのに、マネージャーから営業して貰うなんて羨まし過ぎる!!自分の事は誰も売ってくれない、、、」なんて事まで考えていた。
今振り返ると、トゲトゲした🦔人間だったな、、、と思うのである。このもどかしい気持ちは、「自分の事は自分でなんとかしろ」という当然の結論で落ち着いた。結局甘えていただけである。。。
ただの一般人のスタイリストかぶれを助けるヤツなんぞ、この世にはいない。「人に頼るな、全部自分でやれ!!」である。

トゲトゲ🦔の10年を経て、立場が変わり、今度はタレントとスタイリスト両者の為に力を振る舞わなければならなくなったわけだ。
自分が尖るのではなく、周りを勝たせるスタイリストに変身しないといけない。。。この立場によって少しは丸くなるだろうと思っている。
お貸しや用の買い出しを行う時は、今までは「自分のお客様だけの為に、、、」と顔を思い浮かべて服を選んでいたが、近頃は日本のタレントがどの服を着たら、「映えるかな、、、」なんて思いながら探している。
芸能界全体をターゲットに「服を見極める力」を使える事は光栄に思う。お貸しやの服が、より多くの現場で愛される事を願って、買付を頑張っていかねばならない!!

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