松島勇之介くんの「トワイライト」写真集発売イベントだった。
今回は熱海、静岡2日 東京1日の計3日間。昨年の冬に撮影した。
打ち合わせの時、通常時の顔、闇の顔の二面性を紹介する1冊となっている。
●毛皮のコート(🟥or🟣)
●白の綺麗なスーツが泥に塗れて行く過程
●舞台上に立つ軍服のルドルフ風のキラキラ服
この辺りが苦戦した。
何故かというと、そのような服は世の中に そうそうないからだ。
日常着、部屋着、スーツ、モード服と違ってどこに行けばあるの?って感じ。
●毛皮コート
昨年末に🟥🟣の毛皮のコートを出しているブランドはない。しかも彼は183cm〜185cm。袖も長い。男物で探さないといけないサイズなのに、男物にない。。。困った。
結果として、ネットで,めちゃくちゃでかい女性ものコートを各色2着取り寄せて、🟣に決めた。
女性ものだったら普通にありそうだが、185のサイズなんてなかなかないもんだ。
結果ネットの世界にも3着しかなかった。。。
あぶない、あぶない、、、
●白の綺麗なスーツ
ただのスーツなら海外ブランドにあるが、その中でもかなりモードな服装を要求された。
ただでさえ白のスーツなんて世の中に需要がないから少ない。その中でもモードとなると、高すぎてスタイリングの予算に見合わない。どうする、どうする、、、と悩んだ結果。ハイブランドだけど古着という選択肢を選んだ。
白を汚すという事は、そのスーツは使えなくなる。となると買取で探すしかない。我々stylistでも安く買えて最大70%OFF。ハイブランドのスーツは30万はする。
結果として
・30万のディースクエアードのスーツ
・8万円のヨウジヤマモトのシャツ
・5万円のレディースのモードブランドのスカート
・10万円のチェザレパチョッティのシューズ
総額
53万円の洋服を汚した。。。。
言うまでもなく、この1カットで写真集総予算の半分は消えた。
お金以上に最高の思い出と、美しい写真が手に入ったが、JKを火で炙る瞬間の手の感覚は、今でも忘れられない。
12月の湖に横たわる松島くんの感覚は消え、生きた心地はしなかっただろう。良く頑張りました。
●ルドルフ
これも特殊衣装だ。東京衣装、松竹衣装、東宝コスチュームなどの「衣装屋さん」に問い合わせるも該当の服はない。マナマナなどのリース屋に1点だけあったがこれは採用にならなかった。結果ネットだ。「ネットだと簡単に見つかるでしょう」と思われがちだが、かなり探した。
「日本のルドルフ系衣装は、調べ尽くした」と言っても過言ではない。
そして、1番苦戦したのは膝が隠れるレザーの編み上げブーツ、、、松島君は死ぬ程 脚が長い。
最後まで編み上げブーツは見つけられず、普通のブーツに穴を開けて、編み上げにした。
このような苦難の末、一冊の写真集が完成した。
これを見返す度に 舞台上の記憶が蘇る。
ファンの皆様はどのカットが好きなのだろう。
津野は黒の衣装に🟥の布を振りかぶった、8割モノクロのカットが好きだ。衣装屋としては、大半の面積が衣装ではなく、🟥の布な事は残念だが、良いものは良いから仕方がない、、、。
今回も様々な苦難を提示してくれたstaffの皆様に感謝申し上げる。
世の中に「楽しみ」はいくらでも落ちているが、「喜び」は苦難の先にしかない。これからも敢えて喜びを取りに行く人生にしていこうと思う。
次の写真集は、誰のスタイリングになり、どのような苦難が待ち受けているのか楽しみだ。
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