今服を集めている雑誌は、企画的にハイブランドを揃えようという事で、各社電話している。
皆さんが知っているようなLV、DG、DIOR、FENDYなど世界のメゾンブランドにアポイントの依頼をしている。
各社ごとに思惑はある。
・貸してブランドとしてメリットはあるか。
・タイミング的に可能か
などを試行錯誤してくれている。
ハイブランドも依頼が山の様にあり、忙しい日々を送っている。貸し出し依頼は、スタイリスト津野だけではない。日本中のスタイリスト、アシスタントが一斉に電話している。
・Aのブランドは、ほとんどの服がカタログ撮影で無かったり、
・Bのブランドは他ファッション雑誌に貸してて貸せるものがなかったり、
・様々な理由でお断りを受ける。

今回、我々に与えられた時間は2.5日だった。その時間内に連絡をして、貸し出し許可まで取り付けないといけない。
今回は世界のハイブランドがターゲットだ。流れとしては、日本のプレスが本国のパリやミラノ、ロンドンのスタッフに働きかけ、許可を取ってくる。その後、我々にリース許可の申請が降りてくるわけだ。
中には日本の代理店の範疇(はんちゅう)で🆗を出す所もあるが、ほとんどは本国確認である。
ハイブランドの本国は地球の裏側 つまり、我々が依頼をかけた時間、相手は深夜で働いていない。
1日待って返事が返ってくればいいが、本国の担当者がPCを見れなかったら、2日くらい直ぐに経過する。
そんな中、我々には2.5日しか与えられていない。
逆算するとどう動かないといけないか、、、、。
とりあえずスピードだ。「撮影依頼が来たその日に、可能性があるブランドに優先順位をつけて依頼の連絡を入れないと、間に合わなくなる」と言う事だ。
相手が地球の裏側だろうと🌏期限は期限。そこを守って動かないと、編集部と積み上げてきた信用は、あっという間に崩れ去る。
「本国確認して折り返します」の台詞を貰って、安心している場合ではない。こっちから、詰めて詰めて詰めないと プレスは動かない。
しかし、この詰める作業が苦手なスタッフは多い。

津野はアシスタント時代。半年に1回全てのハイブランドから1ルックずつ借りて、海外で撮影する企画を3年間ずっとやってきたので、ハイブランドがどう仕事を進めるかは分かっているつもりだ。
具体的には
・「折り返しますね」→来ない。めっちゃ待つ
・「今、確認中で確認取れたら連絡します。」→来ない
・全然戻しがなくて、こちらから連絡する
こんな事はザラにあった。中には3週間ずっと連絡してるのに、会議、会議、会議で繋がらないPRESSもあったくらいだ。。。
PRESSは、お高く止まって連絡を返さないわけではない。沢山の依頼と社内でのタスクを抱えて、それを本国とやり取りしながら過ごしているから、手が回らんのだ。
そこに「どうアプローチしていけば、届くか」を考えて行動しないといけない。

●貴方だったらどうする?
成長しない人に限って他人のせいにするものだ。
「相手が返事を返さないので、、、。仕方なくないすか。」この言葉は過去のアシスタントから、聞き飽きた。
こんな事をいっていたら、ハイファッション誌の仕事なんて夢のまた夢である。
そんなアシスタントには
「仕方ないを理由に、集められなかったら貴方はそれで終わるのか?」こう伝える。仕事は結果が全てだ。課程はクライアントには一切伝わらないし、伝えても意味がない。
どのスタイリストも、「借りれない!」という悩みを日々抱えながら、それでも意地で集めている。
他人のせいにした時点で、2回目の仕事は来ない。
何度も言うが期限は期限だ。この日までに集めると決めたなら そこからは絶対に逃げられない。その責任感の強さが将来の明暗をわける。
自分に負けてはならん。「ガンガン電話すると迷惑がられそうなので、、、」そう言い訳する人もいるが、それは電話の仕方が悪いだけだ。
「明日の正午迄に確認出来ないとマズイので、11時に連絡します。」と言って相手のボタンを押しつつ、電話の約束を取らないといけない。
いずれにしても、受動態で待ってはいけない。こちらから能動的に人を動かす力が突破口となる。平坦な道を平々凡々と歩いていては、達成感なんぞない。道無き道をこじ開けて進む魂が道を作る。ガンガン行こう。
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