衣装さん&スタイリストの違い

プロフィール

スタイリストを目指す学生は、例外なく学校の教師から、衣装さんを薦められるという。東宝コスチュームや松竹衣装などの大手衣装会社だ。

学校がオススメする意味も理解できる。「大手の看板の名前がついた衣装の会社!」と言うだけあって、我々フリーランスの何倍も信用がある。

給料の支払い形態だって専属アシスタントに渡す「外注費」ではなく、「給料」だろう。すると社会保障も申し分ない。

学校からすると、安定している大手に大事な生徒を送り出したいのだ。

では、「衣装さん」と「スタイリスト」の違いとは何であろうか。。。

津野の見解では、ドラマや映画のスタイリングで

キャスト全員を担当する「衣装会社の社員」か、

個別に主役クラスだけを担当する「フリーランス」

の違いだと思っている。

人によっては、

・服だけを用意するのが衣装さん

・服以外にも小物まで全て集めるのがスタイリスト

と定義する人もいる。

つまり曖昧である。

ドラマや映画は、基本的には衣装さんのみが担当する。理由は予算が決まっているからだ。

衣装さんのみで事足りるのに、更にスタイリストを入れると倍の値段がかかるわけで、制作としては懐が痛い。

しかし、各芸能プロダクションの推薦により、「スタイリストを個別に付けてくれ!」と依頼があったりするわけだ。

ドラマの成功の為には、その俳優が必要不可欠であるため、芸能プロダクションの要求を飲むケースもある。

その時に我々スタイリストが指名されることがある。

主役クラスだけを担当して、1話につき20万程度のギャラが振り込まれるわけだが、ここには衣装費も含まれてある。

過去にどれだけ洋服屋のコネクションを、捕まえてきたかが問われる。安い経費で良い物を揃えれば、手取り金額は大きくなるわけで、スタイリストの腕の見せ所となる。

ちなみに1話撮影するのに、かかる日数は大体1週間。1話に何体の着替えが発生するかは作品にもよるが、スタイリストを使うだけで制作は月100万円が消えて行く事となる。

かたや、衣装さんはキャスト全員の服を担当する。労働力はスタイリストの何倍も費やすのに、月給は20万円程度【衣装会社はその数倍は貰ってるだろう】。ただ、ひっきり無しに依頼は来る為、やる事は山の様にある。

ある程度休みも保証されるし、ドラマの世界、映画の世界が好きな人にとっては最高の環境だろう。

補足だが、基本的に衣装さんは服しか担当しない。小物(靴、バッグ、アクセサリー、時計等)は持ち道具さんという別の役職の方がいる。

ただ、「人生のハンドルを会社に握られている状態で、定年まで衣装さんをやれるのか、、、」と問われた時に、「体力的にも収入的にも厳しい」と判断した者は、

衣装会社を辞めて、フリーランスのスタイリストの弟子となり1から修行する事もある。。。津野の後輩でも松竹衣装を辞めて、アシスタントに入ってきた人間がいた。彼は子供もいたので、将来のお金に不安があった。

専属アシスタントになった事で、月の給料は一旦10万円にまで下がったが、3年間の修行を経て独立。今はフリーランススタイリストとして年間1500万円稼いでいる。

古巣の松竹衣装時代に知り合った、クライアントからお仕事を頂きながら大成功をおさめた。

何が凄いって、月10万円の給料で奥様と子供がいた事が凄い。家族はよく耐え抜いたと思った。

こんな感じで、衣装さんとして会社員の安定給料で生きるか、フリーランスとして1発逆転を狙って責めた人生を歩むか、其々の思惑の通り進めば良い。

フリーランスは当たればいいが、不発に終わったらバイトマストの生活になる事は間違いない。それでも挑戦するかどうかは、貴方次第である。

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