「コーディネートの発想は何処から出ているのですか?」という質問を頂いた。
津野は良く一般の方から、「このトップスに合うパンツって何ですか?」と聞かれたりする。一般の方は洋服の組み合わせすら、分からないという。
色の合わせ、バランスの取り方、テイストの寄せ方 全てが分からないのだろう。
ある程度ファッションに興味のあった人。例えば、アシスタントになったばかりの人に コーディネートを組ませてみても、なかなかに使えないコーディネートを作る。
では、我々スタイリストとして活躍している人間が、「元々センス・才能があって高校時代から ファッションの技術で高い位置にいたのか」と問われると全くそうではない。
人によっては、学校の中で「あの人はスーパーオシャレ😎」なんて言われて来ただろうが、大抵の場合それは、変わっているアイテムや、普通の人がやらない組み合わせをしていただけだ。
つまり、オシャレというよりは「異端」であったという事。その異端児を周りが見た時に、普通では無い→オシャレとしただけ。
では、その人がプロのスタイリストになって、「どのジャンルの服も器用に、素敵に組み合わせる事が出来るか」と問われれば 答えはNOである。
好きなジャンル(例えば古着)には強いが、そうではないジャンル(例えばPOP)には全然弱かったりする。

しかし、我々プロのスタイリストは、それでは仕事にならない。100人客がいれば、100通りの素敵なコーデを組めないといけない。。。
「プロフェッショナル」とはそういう事である。
例えば弊社には、7名の独立スタイリストがいるが、ほとんど全員がスタートではダメダメコーディネートだった。
それが3年程立つと、我々プロと変わらない精度でコーディネートを提出してくる。
この3年に何があったのか。。。。
ここは「ヘアメイク」も「カメラマン」も同じだから聞いて欲しい。
それは「データの量」だ。アシスタント3年間で蓄積した数々のコーディネートの組み合わせのデータ。それを短期間で多く収集し、頭に叩き込んだ。
小柄、大柄、世代別コーデ、若者ストリートコーデ、オジサン紳士コーデ、オバさんエレガントコーデ、子供コーデ
老若男女、年齢問わず沢山のコーディネートを、お金を頂くというプレッシャーの中で、真剣に向き合ったことで、夥(おびただ)しい量のデータを蓄積したからだ。
世の中からすれば、今まで見たこともないようなコーディネートも【0→1】で作ったわけではない。頭の中にあるデータの組み合わせで、アウトプットしている。

これからヘアメイク、スタイリスト、カメラマンになる人は、「何でこんな発想やアイデアが出るのだろう。」と不思議かもしれないが、0→1なんてほぼ無い事を理解しよう。
昨日ご一緒した、ヘアメイクの山田千尋さん【https://www.instagram.com/chi_i1026?igsh=OWpuYzhjMnV0c25k】も剛力彩芽さんのメイクで、見た事もない髪型を披露して、我々を沸かせた。
「その発想は、何処から来たのか?」を問うと、『メイク出来る時間を瞬時に判断して、その時間内でやれる髪型を💇♀️過去のデータから組み合わせた!!』と語ってくれた。かっこいい!!プロである。
芸人さんだってそうだ。お笑いの会場で 突然、赤ちゃんが泣き出すことは大にしてある。その時に、どういう対応をすれば お客様が「うるさいな」ではなく、「面白い!!」となるかを研究して、赤ちゃんが泣いた瞬間に、NICE👍リアクションをとって、周りを和ませている。
全て過去のDATAの使い回し、組み合わせなのである。
となった場合、どういう師匠、どういう事務所に自分が入る事が強みになるだろうか。。。
その答えは、どんなタイプの人間にも寄り添えるコーディネートを数多くやる師匠である。
理由は、自分のデータの蓄積スピードが変わるからだ。
若い頃は同世代のアーティストや、俳優、モデルにばかり気が行く。そこだけを見て師匠を選ぶ人が非常に多い。しかし、無難に自分未来の事を考えるのであれば、オールジャンルで活躍する師匠を選ぶべきだ。すると、後から楽する事ができる。
自分の人生を預ける人だ、更には 自分の人生で最後に怒ってくれる人。
慎重に選んでいこう!!
あなたが、良い人に巡り合える事を心より願っている。
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